2026-08

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ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第2話

よく飽きないもんだ」 彼は首すじやスネのあたりをボリボリとかきました。「なんだかゾクゾクするじゃないか。それに、ひどく不気味な晩だぜ。夜明けまではまだあるのかな」 独り言をブツブツ言っていましたが、そのとき、かなり不思議なことが起こりました...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第1話

一 なまけものにも言い分はある 江戸の京橋にある「やんぱち長屋」という古い建物に、桶(おけ)を作る職人の弥六(やろく)という男が住んでいました。 弥六は、とんでもないなまけものでした。 それはもう、ちょっとやそっとのなまけ方ではありません。...
やもり物語

初級翻訳・やもり物語 第2話

日が暮れるまでは影も形もないのに、夜になるといつの間にか現れて、ガラスにピタッと貼り付いたまま、ちっとも動きません。朝、出かける時に見ると、もうどこにもいないのです。「一晩中あそこに貼り付いていて、朝の光と一緒にパッと消えてしまうんじゃない...
やもり物語

初級翻訳・やもり物語 第1話

これは、とりとめもない、短い夏の夜の物語です。毎年、夏の始まりになると、すぐ近くの植物園からこのあたりにかけて、若葉がしげって木々が真っ黒に見えるようになります。むなしい空風が遠い街のホコリを巻き上げて、森の香りが清らかなこの場所にまで吹き...
もりのおひめさま

初級翻訳・もりのおひめさま 第1話

深い森の中、森のお姫さまが窓からひょっこり顔をのぞかせました。すると、そよ風さんに呼ばれて、朝つゆの女の子たちがごあいさつにやってきました。小川のほとりで、朝つゆのみんながお姫さまのキラキラふわふわな髪をとかしてあげます。真っ赤なドレスを着...
ものぐさなきつね

初級翻訳・ものぐさなきつね 第1話

一 星は、毎晩さびしい大空でキラキラと輝いていました。そして地上を照らしていましたが、だれも星を見上げて心をなごませてくれる者はいませんでした。星は、それをどこか心細く思っていたのです。もしも、ニワトリが朝早く起きて、そのかしこそうな黒い瞳...
もずとすぎの木

初級翻訳・もずとすぎの木 第1話

若くて元気なモズが、風をきってスズメを追いかけてきました。スズメは一生懸命に逃げて、葉っぱが真っ黒に見えるほどしげったカシの木の中へシュッと飛び込みました。モズはついにスズメを見失ってしまったので、近くにあった高いスギの木のてっぺんに降りて...
もぐらとコスモス

初級翻訳・もぐらとコスモス 第1話

コスモスの花が、あたり一面に咲き乱れていました。赤、白、深紅、白、赤、桃色……。花たちは明るい光の中でゆらゆらと揺れて、まるでにぎやかに歌でも歌っているかのようです。暗い土の底では、もぐらの子供がお母さんに、今こんなことを話していました。「...
めくらぶどうと虹

初級翻訳・めくらぶどうと虹 第2話

「虹さん! 私を連れて行ってください! どこへも行かないでください!」虹は、ほんのすこし微笑んだように見えましたが、その姿はもうずいぶん薄くなっていて、はっきりとは分かりませんでした。そして、今はもう、すっかり消えてしまいました。空はまぶし...
めくらぶどうと虹

初級翻訳・めくらぶどうと虹 第1話

お城の跡(あと)では、オオバコの実が実り、赤ツメクサの花は枯れてこげ茶色になりました。そして、畑のアワもすっかり刈り取られました。「刈られちゃったぞ!」と言いながら、ひょっこり一回だけ顔を出した野ネズミは、慌ててまた穴の中へと引っ込みました...
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