2026-08

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かもめ

初級翻訳・かもめ 第12話

ぼくはまるで、汽車の時間におくれた百姓みたいに、どんどん後ろに取り残されてしまうんだ。それで結局のところ、自分にできるのは自然の描写くらいなもので、ほかのことにかけては自分はすべてニセモノだ、骨の髄までニセモノなんだ、と思い込んじまうのさ。...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第11話

人がたとえば月なんかについて、夜も昼も四六時中考えていると、そのことばかりになってしまうように、私にもそういう月があるんだ。夜も昼も、一つの考えにしつこくまとわりつかれて離れない。それは、「書かなくちゃならない、書かなくちゃ、書かなくちゃ…...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第10話

ふたりは家の中へ入っていく)ニーナ (ひとりぼっちになる)あんなに有名な女優さんが、あんなにつまらないことで泣いちゃうなんて、どう考えても不思議よねえ! それに、もっと不思議なのは、世の中ですごく人気がある小説家――新聞にいつも取り上げられ...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第9話

(そのまま退場していく)ドールン あいつも、行ってすぐにお昼ごはんの前にウオトカを二杯ひっかけるんだな。ソーリン 自分の人生に恵まれない不幸せな娘だからね、可哀そうに。ドールン またそんな大げさな、閣下。ソーリン ほら、それ見たことか。腹い...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第8話

……(両手を腰にあてて、庭をシャンと歩きまわる)ほら見てごらん、――まるでピヨピヨ元気なひな鳥みたいでしょ。わたし、気になれば十五歳の小娘だって見せてあげられるんだから。ドールン まあまあ、それはそれとして、ぼくは本の続きを読むよ。(本を手...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第7話

……僕が言いたいのはね、いいかい――君は抽象的な大きな世界からテーマを持ってきた。これは大正解だ。なぜなら、芸術作品というものは必ず、なにか大きな思想を表現するべきものだからね。真剣なものだけが美しいんだよ。それにしても、なんて青白い顔をし...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第6話

(大声で)コースチャ! うちのせがれやー! コースチャ!マーシャ あたしが行って、探してきましょうか。アルカージナ ええ、お願いね。マーシャ (左のほうへ行きながら)おーい! トレープレフさん!……おーい! (退場する)ニーナ (仮設舞台の...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第5話

夜が明ける前、沼の毒から生まれたお前たちは、太陽が昇るまでフラフラさまようだけで、自分の考えもないし、やりたいこともない、生きている喜びのドキドキすらないんだから……。お前のなかに、命がめざめるのをこわがって、すべてのもののパパである悪魔は...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第4話

お医者様という立場なのに、湿っぽい空気がご自分の体にどれほど悪いかなんて百も承知のはずなのにさ。わざわざ私をやきもきさせたいのねえ。昨日の夜だって、わざわざわざわざ一晩じゅうテラスに出っぱなしだったし……ドールン (歌を口ずさむ)「言うなか...
かもめ

初級翻訳・かもめ 第3話

ソーリン ついでだからちょっと聞いておきたいんだが、そのお母さんの連れの小説家ってのは、一体全体どういう男なんだい? どうもあの男は、いまいち得体の知れんところがある。いつもむっつり黙りこくっていてさ。トレープレフ あれはね、頭が良くて、さ...
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