初級翻訳・若草物語 第45話

オルコット ルイーザ・メイ

もし私が関係しているなら、もっと上手にかっこよく書きますよ。それに、ブルックさんがこんな手紙を書くはずがないことくらい、私だって分かってます!」
ジョーはいまいましそうに、その手紙を床に叩きつけました。
「でも、あの方の書いた字に似ているわ……」
メグは、手元にある別の手紙と見比べながら、言葉を濁しました。

「メグ、まさかあなたは返事を出したりはしていないでしょうね?」
お母さんが慌てて聞くと、メグは恥ずかしそうに言いました。
「……出しましたわ」
するとジョーが言いました。
「やっぱり、あのいたずら小僧を引っ張ってきて白状させて、こっぴどく叱ってやるわ!」
ジョーはまた走り出そうとしました。

「おやめなさい。思っていたよりも大変なことになってしまいました。メグ、全部話しなさい」
お母さんはメグの隣に座り、ジョーの手をしっかりつかみました。

「最初の手紙をローリーから受け取ったとき、お母さんに打ち明けるつもりでした。でも、ブルックさんが私のことを好きだって言っていたのを思い出して、四、五日くらいなら秘密にしておいてもいいかなって思ってしまったんです。お許しください、バカなことをした罰が当たったんです。もう二度と、あの方に顔を合わせられません」
「それで、どんなお返事を書いたの?」
「そんなことを考えるにはまだ若すぎるし、お母さんに隠し事はしたくないから、お父様に相談してくださいって書きました。お気持ちは嬉しいけれど、今はただのお友達としてお付き合いしていきたいです、と申し上げたんです」お母さんは、とても満足そうににっこり笑いました。ジョーはパチパチと手をたたいて言いました。
「お姉ちゃん、なんてお行儀がよくて素敵なんだろう! メグ姉さん、教えて。ブルックさんはなんてお返事を書いてきたの?」

「『ラブレターなんて書いた覚えはないし、いたずら好きな妹が、僕たちの名前を勝手に使ったのだとしたら、本当に残念で申し訳ないことです』って書いてあったの。とても親切で優しいお手紙だったけれど、私、恥ずかしくてたまらなくて……」

メグはすっかり元気をなくして、お母さんによりかかりました。ジョーはローリーへの怒りを爆発させ、ぶつぶつ文句を言いながら部屋の中を歩き回っていましたが、ふと立ち止まりました。そして、二通の手紙を拾い上げて、じっと見比べました。

「これ、どちらの手紙もブルックさんは見ていないと思うわ! ローリーが自分で二つとも書いたのよ。私が秘密を教えなかったから、お姉ちゃんの手紙を人質にして、私を困らせてやろうとしたんだわ!」

「ジョー、秘密なんか持っちゃダメよ」と、メグが言いました。

「そんな、これはお母さんから聞いた秘密なんだから、いいじゃない」

「いいのよ、ジョー」とお母さんが言いました。「お母さんはメグを慰めてあげますから、あなたはローリーをここに連れていらっしゃい。全部はっきりと聞き出して、こんなひどいたずらは二度とさせないようにします」

ジョーは勢いよく駆け出していきました。お母さんはメグに、ブルックさんの本当の気持ちを、包み隠さずすべて話して聞かせました。

「それで、あなたの気持ちはどうなの? あの人があなたのために温かい家庭を作れるようになるのを、待つつもりはある? それとも、今は何も決めないでおく?」

「今回のことで本当にハラハラして、嫌な思いをしたわ。だから、これから先もしばらくは――ううん、もしかしたら一生、恋なんてことには関わりたくありません! もしブルックさんが、こんなバカバカしい悪戯のことを知らないのなら、どうか言わないでください。ジョーとローリーにも、絶対に口止めしてくださいね。私、だまされたり、からかわれたりするのは真っ平です。本当に、恥ずかしくてたまりません!」

いつもは優しいメグが、これまでにないほど怒っているのを見て、お母さんは、誰にも絶対にこの話はさせないこと、そしてこれからもよく気をつけることを約束して、メグをなだめました。

ローリーの足音が近づいてくるのが聞こえると、メグは慌てて書斎に駆け込みました。

ジョーは、ローリーが来なくなると困ると思い、何の用事なのかは言わずに連れてきたのですが、ローリーはお母さんの厳しい顔を見た瞬間、すべてを察して、きまり悪そうに帽子を手の中でねじくり回しました。

ジョーは部屋から出ているように言われ、犯人が逃げ出さないように玄関で見張りをすることにしました。そのため、部屋の中での話し合いの様子は、メグにもジョーにもわかりませんでした。

お母さんとの話し合いが終わり、メグとジョーが部屋に呼ばれたとき、ローリーは本当に心から反省している様子でした。

ローリーはメグに深く謝り、ブルック先生はこのいたずらについて何も知らないと、はっきりと約束しました。

メグはそれを聞いて、ようやくホッと胸をなでおろしました。

さらにローリーは、きっぱりとした口調で言いました。
「僕は死んでも、ブルック先生にはこのことを話しません。どうか許してください。でも、罰として、あなたから一ヶ月くらい口をきいてもらえなくなっても、仕方がないと思っています」

「許してあげますわ」とメグは言いました。「実を言うと、とても紳士とは言えないやり方でした。あなたが、こんな意地悪をするなんて思いもしませんでした」

ジョーは、その間もずっと冷たい態度で立っていました。絶対に怒りを緩めまいと、厳しい表情を崩さないようにがんばっていたのです。

ローリーはすっかりバツが悪くなり、プライドも傷ついたようで、お話が終わると、お母さんとメグに小さく挨拶をして、すぐに帰ってしまいました。

ジョーは、ローリーに対してもう少し優しくしてあげればよかったな、と後悔しはじめました。

お母さんとメグが二階へ上がってしまうと、ジョーはローリーに会いたくてたまらなくなり、返す予定の本を抱えて、お隣のローリーの家へと出かけていきました。

お手伝いさんに向かって、「ローリーはいる?」と尋ねると、家にいるけれど、今は誰にも会わないだろうと言うのです。

ジョーが「病気なの?」と重ねて尋ねると、お手伝いさんはこう答えました。
「いいえ、実はローレンス旦那様と大げんかをなさいましてね。お坊ちゃまはすっかり怒って、お部屋に閉じこもってしまわれたのです。ご飯ができたのでドアを叩いたのですが、お返事もありません。旦那様もカンカンに怒っていらっしゃいますし、本当に困り果てておりますの」

「私が行って、様子を見てくるわ。二人とも怖くないから大丈夫!」

ジョーは階段を上がっていき、ローリーの部屋のドアを叩きました。中から「あっちへ行け!」と言われても、おかまいなしに叩き続け、ローリーがしぶしぶドアを開けた瞬間、サッと部屋の中へ飛び込みました。

そして、床の上にひざまずき、大げさにペコペコしながら言いました。
「意地悪な態度をとってごめんなさい! 仲直りしに来たの。仲直りしてくれるまで、絶対に帰らないからね!」

ローリーはすぐに態度を和らげて仲直りをし、ジョーを立ち上がらせました。けれど、まだ心の中ではぷんぷんと怒っている様子です。

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