初級翻訳・銀河鉄道の夜 第16話

宮沢 賢治

すると、ジョバンニは自分という存在も、自分の考えも、汽車やその学者さんや天の川も、みんな一緒になって、パッと光ってはしんとなり、消えてはまたパッとついて消える……そんな不思議な光景を見ました。一つの光が灯ると、広大な世界ががらりと広がり、あらゆる歴史がそこに現れる。けれど、それがスッと消えると、あとはただ何もなくなってしまうのです。
その光と消滅のサイクルはどんどん速くなっていき、やがて元通りの静けさに戻りました。

「さあ、いいかい。だからお前の実験は、このバラバラな考えの始まりから終わりまで、すべてを見通すようなものでなければいけない。それが難しいところなんだ。けれども、もちろんその瞬間だけでもいい。ああ、ごらん。あそこにプレアデス星団が見えるだろう。お前は、あのプレアデスの鎖を解かなければならないんだ」

その時、真っ暗な地平線の向こうから、まるで昼間のように明るい青白い信号弾が打ち上げられ、汽車の中はすっかり明るくなりました。その光は高く空に掲げられ、輝き続けました。

「ああ、マゼラン星雲だ。さあ、もう僕は僕のために、僕のお母さんのために、カムパネルラのために、そしてみんなのために、本当の、本当の幸せを探すんだ!」

ジョバンニは唇を強く噛みしめ、一番の幸せを願うその人のために、マゼラン星雲を見つめて立ち上がりました。

「さあ、切符をしっかり持っているんだよ。お前はもう夢の鉄道の中ではなく、本当の世界の火や激しい波の中を、大股でまっすぐに歩いていかなければいけない。天の川の中で手に入れた、たった一つの本当のその切符を、決してなくしてはいけないよ」

あのチェロのような声が響いたと思った瞬間、ジョバンニは天の川がもう遠く遠くへ離れていくのを感じました。風が吹き抜け、自分が草の丘の上にまっすぐに立っていることに気づくと、遠くからあのブルカニロ博士の足音が静かに近づいてくるのが聞こえました。

「ありがとう。私はとてもいい実験ができたよ。私はこんな静かな場所で、遠くから自分の考えを人に伝える実験をしたいと、さっき考えていたんだ。お前が言った言葉は、みんな私の手帳に書き留めてある。さあ、帰ってゆっくりおやすみ。お前は夢の中で決心した通り、まっすぐに進んでいくがいい。そしてこれから何でも、いつでも私のところに相談においでなさい」

「僕、きっとまっすぐに進みます。きっと本当の幸福を求めてみせます!」

ジョバンニは力強く答えました。

「ああ、ではさようなら。これはさっきの切符ですよ」

博士は小さく折った緑色の紙を、ジョバンニのポケットに入れました。そして、博士の姿はもう天気輪の柱の向こう側へ消えて見えなくなっていました。
ジョバンニはまっすぐに走り、丘を駆け下りました。そのとき、ポケットがとても重く、カチカチと音を立てていることに気づきました。林の中で足を止めて中を調べてみると、あの緑色の、夢の中で見た不思議な切符の中に、大きな二枚の金貨が包まれていました。

「博士、ありがとう! お母さん、今すぐミルクを持って帰るよ!」

ジョバンニは叫んで、また走り出しました。いろいろな思いが一度に胸に込み上げてきて、何とも言えないくらい悲しいような、けれどとても懐かしいような温かい気持ちが胸いっぱいに広がりました。
琴の星がずっと西の方へ移動し、空はまた夢のように静かに広がっていました。

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