初級翻訳・あひるさん と にはとりさん 第1話

あひるさん と にはとりさん

しんせつなあひるさんのおかあさん

1
 にはとりさんが、あひるさんのところへ遊びにいきました。
あひるさんは、えんぴつを五本もなくしてしまったので、こまっています。
2
 あひるさんは、にはとりさんに言いました。
「僕はどうも、えんぴつはお池の中にあるような気がするよ。」とお池の中へ飛びこんで探しはじめました。
3
 にはとりさんは言いました。
「僕はどうも、畑の中におっこちているような気がするよ。」と畑をほじくりかえしました。
けれども、見つかりませんでした。
4
 二人は一日中、ほじくったりもぐったりしたので、泥だらけになってしまいました。そこで、あひるさんのお母さまがお風呂に入れてくださいました。
そして、こんなにきれいになりましたので、ごほうびにえんぴつをくださいました。

あひるさんのおたんじょう日

1
 あひるさんのお母さんは、あひるさんのおたんじょう日に、にはとりさんと、にはとりさんのお母さんをごちそうによびました。
2
 食堂にはいってごちそうを食べようとしますと、急に、停電でまっくらになりました。
3
 一時間ばかりして電気がついて、テーブルの上を見ますと、たくさんあったごちそうは影も形もなくなっています。
あひるさんとにはとりさんが、暗いうちに食べてしまったからです。
4
 あひるさんのお母さんと、にはとりさんのお母さんはがっかりしましたが、しかたがありませんので、紅茶だけでがまんしました。

わがままを言ったばかりに

1
 あひるさんはお母さんにすてきな帽子を買っていただいたのですが、気に入りません。
学校へ行くのにこのとおり、お帽子を羽の下へかくして行きました。
2
 にはとりさんは新しいお靴を買っていただいたのに、「あんまり新しすぎてはずかしいや」と言って、カバンの中へねじこんで、はだして学校へ行きました。
3
 学校へ行きますと、二人は頭と足がいたくなりました。
先生はすぐ二人を自動車に乗せて、おうちへ送り届けておっしゃいました。
「もう二、三日は、お部屋の中でじっとしていないといけません。」
4
 二人はベッドの中でなきました。
けれども、いたしかたありませんでした。

プールへゆきました

1
 あひるさんとにはとりさんは、あつくてたまらないので、黒と赤の水着をきてプールへ出かけました。
2
 あひるさんは水泳の選手なので、大とくいになって水中めがねなんかをかけたりして泳ぎまわりました。
にはとりさんはこわくて水の中には入れません。高い木のてっぺんにとまって、あひるさんの泳ぐのを見ました。
3
 そのうちにあひるさんは、水の中にあんまり長くいたので寒くなってふるえだしました。にはとりさんは高いところにいたので暑くて汗がながれました。
4
 それを見た親切なプールの番人のおじさんが、二人をボートに乗せてくれましたので、二人はやっと寒さと暑さがとまって、ゆかいに遊びました。

おくびょうなあひるさん

1
 あひるさんが、ある日、お母様からいただいたおいしそうな大きな桃をもっていますと、後ろで「あひるちゃーんや」という声がしました。
2
 あひるさんは後ろをふりむいて見ると、自分よりもっともっと大きなあひるさんがずんっと立っていますので、おどろいて逃げました。
桃をとられると大変だと思ったからです。
3
 あひるさんはにはとりさんのおうちにはいって、にはとりさんと二人で戸を内側からおさえて、桃をポケットの中へかくしました。
4
 そして窓から外をのぞいてみますと、それはあひるさんのお父さまだったのです。
まあ何て、あひるさんはあわて者なんでしょう。

あひるさんとにはとりさんはのんきもの

1
 あひるさんとにはとりさんが見えなくなりました。
お母さんたちはほうぼう探しまわりましたけれど、どうしても見つかりません。
2
 にはとりさんとあひるさんのお母さんは、「探偵(たんてい)」の犬さんのところへ行って、探してくれるように頼みました。
3
「探偵」の犬さんはさっそくやってきて、お鼻をくんくんならして探しましたが、見つかりません。
4
 虫めがねでお家の中を見まわして、犬さんは申しました。
「なるほどなるほど、ここに足あとがちゃんとにあります。ご心配いりません。お二人はたぶん、この戸棚の中でひるねをしていらっしゃるんでしょう。」
 そして、まったく犬さんの言ったとおりでございました。

どろだらけののりまき

1
 にはとりさんとあひるさんは、お母さんにおごちそうをこしらえていただいて、野原へ遊びに出かけました。
2
 途中で何が気にさわったのか、二人は急につむじをまげはじめました。一方が走り出すと一方はのろのろ歩いたり、一人が左を歩くと一人は右を歩いたりいたしました。
3
 やっと野原についておべんとうをたべることになりましたが、二人はおごちそうを見られるとしゃくだと思って、バスケットを手でかこってひじをつっぱりました。
4
 するとあんまりひじをつっぱりすぎたので、二人のバスケットは一どにころころとひっくりかえりました。
おごちそうは両方とも同じのりまきだということだけわかりましたが、おなかがすいていてもたべることが出来ません。
なぜってどろだらけになっちまいましたもの。
あひるさんとにはとりさんはなかよし

1
 お三時に紅茶をのみました。
にはとりさんはちびちびと。
あひるさんはがぶがぶと。
これは二人の生れつきだから、どうにもしかたございません。
2
 あひるさんのお茶わんは、すぐからっぽになりました。
あんまり早くのみすぎて、まだまだ足りません。
3
 それを見たにはとりさん。
まだ一杯あるので、半分だけ、わけてあげました。
4
 あとで、にはとりさんが砂遊びをしたくて、
「うらの庭へ砂いじりにゆかうよ。」
といいますと、あひるさんは水あそびがしたかったけれど、
「うん いゝとも。」といって、うらの庭へゆきました。
ふたりは今日は朝から、とても仲がよろしいのです。
いじめつこの犬さん

1
 あひるさんとにはとりさんに、このごろひどくこまったことがあるのです。
それは、まい日、がっこうに行く途中の曲り角に、犬さんがいて、いじわるをするのです。
2
 二人は、こわくてしかたがないので、とおまわりをしてがっこうにゆきましたが、矢張り犬さんが学校の門にかくれていて、あかんべをしたり、とびかかるまねをしたりします。
3
 犬さんの家はせんたくやで、お父さんの犬さんは、毎日にはとりさんと、あひるさんのうちに、御用ききにまいります。
4
 二人ははずかしくてしかたがありませんでしたが、犬さんのお父さんに、「犬さんにいじわるをしないやうにいって下さい。」と、たのみました。
せんたくやの犬さんは「はい、はい、よろしゆうございます。」といいますので、二人は大変安心いたしました。

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