初級翻訳・かぜのこ 第1話

かぜのこ

かぜのこが、にこにこ笑顔で木のうえから、
すぐ下にいる男の子を見下ろしてみたよ。
湖のほとりで遊びのまっ最中、
おもちゃの小さな船をぷかぷかと浮かべて遊んでいるよ。

かぜのこは、あと先のことも考えないで、
男の子のすぐそばへぴょーんと飛び降りた!
そして「ぴゅうっ」と船に追い風を吹かせると、
男の子も大喜びで大満足。

かぜのこは、男の子の小さなおててをぎゅっとつかんで、
「さあ、行くよ!」とまっしぐらに走り出した。
丘をこえ、野原をのぼったりくだったり、
男の子もさすがに息切れしちゃうよ。

きれいに実ったリンゴの木のまえで、
かぜのこはぴょいと木にのぼって、
夢みたいにきらきら光るリンゴを、
ゆさゆさ揺すって地面に落としていくよ。

すると、ころころと転がるイバラの実の子が、
しょいかごいっぱいのお返しだよ。
さてさて、食いしん坊の男の子は、
これにはもちろん大満足!

かぜのこはわくわくが止まらなくなって、
ふいにふざけて、色とりどりの葉っぱを、
風でビューッと吹きちらしちゃうものだから、
男の子も楽しくてたまらない!

さあ、ぴょんと雲にまたがって、
ふたり一緒に空をひとっとびだ!
かぜのこは地面にむかって「やっほー!」と叫び、
おひさまに向かって「こっちにおいでよ!」と呼びかける。

やがて、ふたりはおうちのまえに到着。
かぜのことお別れの時間だよ。
「ねえ、明日もふたりで遊ぼうね!」
「うん! じゃあ、またね!」と男の子。

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