訳者のしるし
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JUVENILE ENGLISH LITERATURE.
青年英文学叢書(そうしょ)
KING ARTHUR’S ROUND TABLE.
アーサー王物語
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GARETH AND LYNETTE.
ゲーレスとリネットの巻
It was in the old days of England, when instead of one King, there were many, who divided the country between them, and constantly made war upon each other, to increase their possessions.
(訳)これはイギリスの昔の話(It was in the old days of England)、国に一人の王がいる今の時代とは違って(when instead of one king)、国を分け合うたくさんの王たちがいて(there were many, who divided the country between them)、自分の領地を広げようと(to increase their possessions)絶えず戦いを繰り返していました(constantly made war upon each other)。
The noblest of all these Kings was Arthur. He was the son of Uther Pendragon, and he succeeded to the throne at a very early age, though not without great trouble, as the knights and barons said they would not be ruled over by a “beardless boy,” and if he wanted his crown he might fight for it. However, by the aid of an old man named Merlin, who was supposed to have magic powers, the rising insurrection was stopped, and young King Arthur was crowned with great pomp in London.
(訳)これらすべての王の中で、もっとも気高くすばらしかったのがアーサー王です。彼はユーサー・ペンドラゴンの息子で、まだとても若い年齢で(at a very early age)王位を継ぎました。しかし、それは決して簡単なことではありませんでした。なぜなら、国中の騎士や貴族たちが、「あごひげもない子ども(beardless boy)」の言いなりになどなるものか(would not be ruled over by…)、王冠が欲しいなら(if he wanted)力ずくで戦って勝ち取ってみろ(he might fight for it)と気炎を上げ、大変な大騒ぎになったからです(as… said, not without great trouble)。
しかし、不思議な魔法の力を持っていると信じられていた(who was supposed to have magic powers)「マーリン」というおじいさんの助けを借りて、この立ち上がりかけた反乱は無事に鎮められ(the rising insurrection was stopped)、若いアーサー王はりっぱな儀式盛んに(with great pomp)ロンドンで王冠をかぶることになったのです。
The King proved himself able not only to take the crown, but to keep it, and the other Kings found they had to be very respectful to him, and very careful not to encroach on his boundaries.
(訳)この王様は、ただ王冠を手に入れるだけでなく、それをしっかりと守り抜くだけの実力があることを証明しました(proved himself able)。そして、まわりの他の王たちも、アーサー王のことを心から敬わなければならないし(to be very respectful to him)、うっかり領土を荒らしたりしないよう(very careful not to encroach on his boundaries)十分に気をつけなくてはならないと思い知らされたのでした(found)。武芸(ぶげい)の腕を磨き、あらゆる勇気ある行動をすすんで応援するために、アーサー王は有名な「円卓の騎士(きし)」という特別なきょうだいのような仲間たちをつくりました。このグループに入りたいと思う男なら、だれもがまず、試合(しあい)や本当の戦いで、自分の実力が本物であることを証明しなければなりませんでした。そして、騎士たちはみんな、次のような大切な誓いを立てなければならなかったのです――。
「王様を、自分たちの良心(りょうしん)そのものであるかのように敬(うやま)い、そして自分たちの良心を、自分たちの王様であるかのように敬うこと。
異教徒(いきょうと)を打ち破り、キリスト教の教えをしっかりと守ること。
馬に乗って世界中を駆けめぐり、人々の苦しみや不正を正し、救うこと。
人の悪口を絶対に口にせず、そんな話を聞くことすらせぬこと。
自分の言葉を、まるで神様の言葉であるかのように重く受け止め、必ず守ることたること。
たった一人の乙女(おとめ)だけを愛し、その人に誠を尽くし、何年もの間立派な行いを重ねることでその人を敬い、ついにその愛を勝ち取るまでがんばること。」いま紹介した三つのきまりには、武士たちが婦人を深く敬う精神や、一夫一婦(いっぷいっぷ)の生き方が表されています。イギリスの有名な詩人ドライデンの『アレクサンダーの宴』という詩の中には、こんな一節があります。
「めでたし、めでたし、めでたき二人!
勇気ある男たちのほかに、
勇気ある男たちのほかに、
美しい女性にふさわしい者はいない!」
この詩のとおり、当時の武士たちは命がけの立派な行いによって美しい女性たちの心をつかみ、女性たちもまた、勇敢で男らしい武士を最高の男として誇りに思っていました。ですから、恋と大冒険を物語の骨組みとする「ロマンス」と呼ばれるお話は、主にこうした騎士たちの活躍を伝えているのです。
翻訳者(わたし)が言うには、このきまりの解説は少し長すぎると感じるかもしれませんが、これこそがイギリスの武士道のたましいが詰まった部分なのです。
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