これからだよ」と健ちゃんは憤慨した。
しかし、周一が「嫌だ」と言ったのは、そういう理由ではなかった。自分がもう、こんなことをしているのが嫌になったのだった。
「でも、僕はもう嫌なんだ。もう家に帰るよ」と周一はきっぱりと言った。
健ちゃんはすっかり怒って、「なんだ、けちんぼう!」と言った。
周一は、言っても自分の今の気持ちが健ちゃんにはわからないだろうと思ったから、黙って空気銃を抱えて駆け出した。彼はただ堪らなく、家に帰りたかったのだ。
「晩にスズメが化けて出るぞ!」と、健ちゃんが後ろから大声で怒鳴った。
周一の胸はドキリと鳴った。さっきから気になっていた不安は、まさにそのことだったような気がした。
「化けるもんか!」と言い返して、スズメを健ちゃんの方へ投げつけ、一目散にまた駆け出した。
「やーい、意気地なし! 脅かしたら本当に怯えやがって、馬鹿め! 俺たちが家に持って帰って焼いて食ってやるよ、甘いぞ甘いぞ」と言って、健ちゃんは嬉しそうにスズメを拾い上げた。
翌日から周一は、空気銃には触らなかった。彼は家の中でハーモニカを吹いて、一人で遊んだ。それから二日目には、周一は「もしもし亀よ」が上手に吹けるようになって、母さんから褒められた。
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