初級翻訳・大へび小へび 第3話

大へび小へび

そして、そのあと、私たちが長いあいだ大切に住み続けてきたあの家は、空襲の被害を広げないための「強制疎開」によって取り壊され、今ではすっかりただの畑になってしまっています。

今になって思い返してみると、まさにあの守り神(ヌシ)は、私たちの家や暮らしがこれからどうなっていくのか、その最後を教えに来てくれていたのでしょう。
力強くしなやかな長い体をうねらせて、すうっと庭を走り抜けていったあの朝の出来事が、今でも信じられないほど鮮やかに、はっきりと思い出されます。

あの守り神は、畑になってしまったあの広い空地のどこかに、今も生きているのでしょうか?
ふしぎなことに、私はそのヘビに対して、気味が悪いとか恐ろしいという気持ちが少しもしないのです。
それどころか、なんだか恋しくなってしまうくらいに、あの細く輝く銀色の美しい姿を、今でも懐かしく思い浮かべてしまうのでした。

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