そして小屋の中に入って来て、
「女の子が逃げて来たろう。早く出せ!」
とどなりました。
「だってわたしは知らないよ」
すると山姥は疑い深そうに、鼻をくんくん鳴らして、
「ふん、ふん、人くさい、人くさい!」
といいました。
「なあに、それはわたしが雀を焼いて食べたからさ」
「そうか。そんなら少し寝かしておくれ。あんまり駆けてくたびれた」
「おばあさん、おばあさん。寝るのは石の櫃にしようか、木の櫃にしようか」
「石の櫃はつめたいから、木の櫃にしようよ」
こう山姥はいって、木の櫃の中に入って寝ました。
山姥が櫃の中に入ると、女は外からぴんと錠を下ろしてしまいました。
そして石の櫃の中から女の子を出してやって、
「山姥を木の櫃の中に入れてしまったから、もう大丈夫だ」」
といって、太いきりを取り出すと、火の中に突っ込んで真っ赤に熱くしました。
この真っ赤に焼けたきりを、木のはこ(櫃)の上からグサッと突き刺しました。すると、中から山姥が寝ぼけた声で、
「なんだい、ハツカネズミかい。うるさいなあ」
と言いました。
そのすきに女の人は、はこに穴を開けて、ぐらぐらと煮え立つお湯をその穴からドバドバと流し込みました。すると中から、
「あつい! あつい!」
と叫びながら、山姥はすっかりドロドロにとろけて、ついに死んでしまいました。
女の人は山姥をやっつけると、女の子といっしょに自分の家へ帰っていきました。
実は、この若い女の人も、昔は山姥にさらわれて、こんな所に連れてこられていたのでした。
初級翻訳・山姥の話 第3話
山姥の話
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