初級翻訳・愛ちやんの夢物語 第4話

キャロル ルイス

はじめ、愛ちゃんはてっきり海へ落ちたのだと思って、「それなら汽車に乗って帰れるわ」と独り言を言いました(愛ちゃんは生まれてからこれまで、一度しか海岸へ行ったことがないので、勝手にそう思い込んでいたのです。イギリスの海岸へ行けばどこでも、海の中で泳いでいるたくさんの機械が見られて、子供たちは木のシャベルで砂を掘っていて、そして一列に並んだ宿屋があって、その後ろには停車場があるものだと)。しかし愛ちゃんはすぐに、自分が涙の池に落ちたのだということに気がつきました。その池は、愛ちゃんの身長が約2.7メートルに伸びた時に、涙でできたあの池です。

「そんなに泣くのはやめよう!」と言って、愛ちゃんは出口を見つけようとして泳ぎ回りました。「私は今、きっと罰を受けているんだわ。こうして自分の涙の中に溺れるなんて、本当に変なこと!でも、今日は何もかもがみんな変なのよ」

ちょうどその時、愛ちゃんは少し離れた池の中で、何かが水音を立てているのを聞きつけ、何だろうかと思いながらそばへそばへと泳いでいきました。はじめ愛ちゃんは、それがセイウチかカバに違いないと思いました。しかし、今の自分の体の小ささに気がつくと同時に、それが自分と同じように滑り落ちた一匹のネズミに過ぎないことを知りました。

「さて、このネズミに何を話してあげようかしら? 大抵のことはみんな変なことばかりだけれど、とにかく話しかけても損はないでしょう」と愛ちゃんは思いました。

そこで愛ちゃんが言いました。「ネズミちゃん、あなたはこの池の出口を知っているの? 私、すっかり泳ぎ疲れてしまったわ、ネズミちゃん!」(愛ちゃんは、これがネズミと話をする正しい方法だと思っていました。一度もそんなことをしたことはないのですが、お兄さんのラテン語の教科書に「ネズミは、ネズミの、ネズミに、ネズミを……ああ、ネズミちゃん!」と書いてあったのを覚えていたからです)。ネズミは少し不思議そうに愛ちゃんの方を見て、その小さな片方の目を瞬くように動かしましたが、何も言いませんでした。

「きっと、英語を知らないんだわ」と愛ちゃんは思いました。「ああ、わかった! フランス語のネズミなのね。ウィリアム一世と一緒にやってきたやつだわ」(歴史を習ったとはいえ、愛ちゃんは何が何年くらい前に起きたことなのか、はっきりとは知らなかったのです)。そこでまた愛ちゃんが言いました。「私の猫はどこにいるでしょう?」それはフランス語教科書の一番初めの文章でした。

するとネズミは水の中からピョコンと跳ね上がって、そのまま飛び出しそうに全身を震わせていました。

「あら、ごめんなさい!」と愛ちゃんは急いで叫びました。このかわいそうな動物の機嫌を損ねたことを心配してのことでした。「私はあなたが猫を嫌いなことを、すっかり忘れていたの」

「猫なんて大嫌いだ!」と、鋭く激しい声でネズミが言いました。

「もしあなたが私だったら、猫を好きになれるかしら?」

「まあ、ひどいこと」と優しい声で愛ちゃんは言いました。「怒らないでちょうだい。だけど、私はあの『タマちゃん』を見せてあげたいわ。もしあなたがタマちゃんを一目でも見たら、きっと猫が好きになると思うのよ。だってタマちゃんは、本当にかわいらしくて大人しいんだもの」と半ばつぶやきながら、涙の池を物憂げに泳ぎ回りました。「それからタマちゃんは、囲炉裏のそばでさも心地よさそうに、喉をゴロゴロ鳴らしながら座って、前足を舐めたり顔を洗ったりしているの。飼ってみれば本当にかわいいものよ。それにネズミ捕りの名人だし――オヤ、ごめんなさい!」とまた愛ちゃんが叫びました。

今度はネズミが全身の毛を逆立てていたので、愛ちゃんはきっとネズミがひどく怒ったに違いないと思いました。

「そんなにあなたが嫌いなら、もうタマちゃんのことは話さないわ!」

「そう、本当に!」怖がって尻尾の先まで震わせていたネズミが叫びました。「もし私がそんな話をこれ以上聞かされたら! 私の一族はみんな、猫を仇敵だと思っているんだ。ああ、あの不潔で下等な動物め! もう二度と猫の話なんて聞くのは御免だ!」

「私もよ!」と言って、愛ちゃんは大急ぎで話を変えました。「ねえ、あなたは……イ、イ、犬は好き?」

ネズミが返事をしなかったので、愛ちゃんはまた一生懸命に続けました。

「私の家の近所に、それはそれは綺麗な犬がいてね、あなたにも見せてあげたいわ! 可愛い澄んだ目をした猟犬よ。知っている? こんなに長い縮れた茶色の毛をしていて、何でも投げてやると取ってきてくれるの。ご馳走をあげるとお座りをしてチンチンするわ。私、よくは知らないけれど、それは農家の犬で、とっても役に立つんですって。一匹百円もするそうよ! それがみんな、ネズミを捕まえるんですって……ナニ、いいえ!」と、痛ましげな声で愛ちゃんが叫びました。「また気に障ったかしら!」

ネズミが池の水をかき乱し、一生懸命に泳ぎ去ろうとするのを、愛ちゃんは静かに呼び止めました。「ネズミちゃん! 戻っておいでよ! もし嫌なら、もう猫や犬の話は二度としないから!」
ネズミはこれを聞くと振り返り、静かにまた愛ちゃんのところへ泳いできましたが、その顔は真っ青でした。(愛ちゃんは、それをとても気の毒に思いました)。
ネズミは低い震える声で言いました。
「あの岸へ上がりましょう。そこで私の身の上話をします。そうすれば、なぜ私が猫や犬をそんなに嫌っているのか、分かってもらえるはずですから」

ちょうど岸へ上がるべき時が来ていました。池の中には、いつの間にか落ちてしまったたくさんの鳥や動物たちが集まっていたのです。
家鴨(あひる)にドードー鳥、ローリー鳥に小鷲(こわし)、その他にもいろいろな珍しい動物たちがいました。愛ちゃんを先頭にして、みんなで列を作り、全員なんとか岸まで泳ぎ着きました。

第三章
候補競争と長話

岸の上に集まった一団は、それはもう滑稽で面白い眺めでした。鳥たちは羽が泥だらけになり、動物たちは毛皮がべったりとくっつき合ってびしょ濡れです。雫がポタポタと落ちてくるので、みんな体を横にゆすったりして、とても気持ち悪そうにしていました。

最初の問題は、どうやって再び体を乾かすかということでした。そのためにみんなで相談会を開くことになり、しばらくすると、愛ちゃんはまるで前からみんなと知り合いだったかのように、臆することなく親しげに話し始めました。

愛ちゃんは長い間、ローリー鳥と議論をしていました。ローリー鳥は最後には渋い顔をして拗ねて背中を向けて、「私はお前より年上だよ。私の方がよく知っているんだ」とそれだけ言ったので、愛ちゃんはローリー鳥が本当は何歳なのかを聞き出さないと気が済みませんでしたが、ローリー鳥がどうしても年齢を言うのを拒んだので、最後には仕方なく黙り込んでしまいました。

ようやく、その中でもリーダー格に見えたネズミが、「みんな座りなさい! 私の言うことを聞きなさい。すぐにみんなが乾くような方法を教えてあげるから!」と怒鳴りました。
大勢のものは言われるがままに、ネズミを中心にして大きな輪を作って座りました。

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