初級翻訳・森のなかの三人の小人 第3話

グリム ヴィルヘルム・カール

お客はぐっすりねているよ

すると、カモがなおもききました。

あたしのぼうやはなにしているの?

若い男は答えて言いました。

ゆりかごで すやすやねているよ

すると、カモはお妃さまのすがたになって、階段をあがっていきました。
そして、ぼうやにおっぱいをのませ、小さな寝台をゆすって、布団をよくかけてやったのです。
それから、またカモのすがたになって、もとの流し口からきえていきました。こんなふうにして、カモはふた晩やってきましたが、三日めの晩に、台所の若い料理番にむかって言いました。
「王さまのところへいって、こうつたえておくれ。
『王さまが剣をぬいて、部屋の入口の敷居の上で三度ほど、あたしの頭の上でふってくださるように』ってね」

そこで、若い料理番はいそいで王さまのところへ走っていって、その話をしました。
すると王さまは剣を手に持ってやってきて、そのふしぎな鳥のうえで三度ほど剣をふりました。
するとどうでしょう、三度めをふりおわったその瞬間に、本物のお妃さまが目のまえにあらわれたではありませんか!
しかも、まえと変わらず、いきいきとした元気な姿をしています。
王さまは、心のそこから大よろこびしました。
けれども、赤ちゃんの洗礼式がおこなわれることになっている日曜日が来るまで、お妃さまをひそかな部屋にかくしておきました。
そして、洗礼式がぶじにすんだあと、王さまはまわりの者たちにこう言いました。
「ひとを寝台からひきずりおろして、川の中へほうりこむような人間には、いったいどんな罰をあたえたらいいだろうか?」

すると、何も知らないまま母が、すすみ出て答えました。
「そんなわるいやつなら――
大きな木のおたるの中におしこめて、フタをくぎづけにして、山の上から川の中へころがり落とすのが、いちばんでございますよ!」

それをきいて、王さまは言いました。
「おまえは、自分で自分の裁判の判決をくだしたのだよ」

そうして、王さまはまさにそんな木のおたるをとりよせさせ、まま母とあの意地悪なむすめをその中につき入れさせました。
それから、おたるのフタをしっかりとくぎづけにして、山の上からゴロゴロと力いっぱいころがり落としました。
おたるは勢いよく転がり落ちていき、とうとう川の中へと沈んでいったのでした。

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