初級翻訳・三まいの 鳥のはね 第2話

グリム ヴィルヘルム・カール

」と、いいました。
「まあまあ、そういわずに、わたしの小さいひきがえるを、一ぴきそのなかへいれてごらんよ。」と、でぶのひきがえるはいいました。
おばかさんは、まるくかたまっている小さなひきがえるのなかから、いいかげんに一ぴきつかみだしました。
そして、それを、にんじンのなかにいれてみました。
ところが、いれたとたんに、そのひきがえるが、びっくりするほどうつくしいおひめさまにかわってしまったではありませんか。
しかも、そればかりではありません。
にんじんは馬車になりました。
六ぴきのはつかねずみは、六とうの馬にかわったのです。
おばかさんは、おひめさまにキスをしました。
それから、六とうの馬に馬車をひかせて、おひめさまを、王さまのところへつれていきました。
兄さんたちは、あとからもちどってきました。
ふたりとも、うつくしいおよめさんをさがすために、ほねをおったりはしませんでした。
ただ、いきなりであったお百しょうの女を、つれてきたのです。
王さまは、おひめさまをひと目みただけで、「わしの死んだあと、この国は、いちばん下の王子のものだ。」と、いいました。
ところが、ふたりの兄さんは、またまたもんくをいいだしました。
王さまの耳がきこえなくなるくらいの大声で、わめきたてるのです。
「おばかさんが王さまになるなんて、そんなことしょうちできません。」
そして、こんなことをいいだしました。
「広間のまんなかにわをぶらさげて、そのわを、つれてきた女たちにとびぬけさせてください。うまくとびぬけた女をつれてきたものがかち、ということにしてください。」
ふたりは、おなかのなかでこうかんがえていたのです
(百しょう女なら、うまくとかぶだろう。体がじょうぶだからな。しかし、あんなきゃしゃなおひめさまがとんだりしたら、いっぺんに死んじまうだろう。)
年とった王さまは、このとびくらべもおゆるしになりました。いちばん最初に、ふたりの農民の女性が輪に向かって跳びました。
ふたりとも、うまく輪を通り抜けることはできました。
けれど、体つきがドタバタとしていて重々しかったのです。
そのため、跳んだ勢いでドタリと倒れてしまい、ごつごつした腕や足を折ってしまいました。
今度は、おばかさんが連れてきた、うつくしいお姫さまが跳びました。
まるでメジカ(小さな鹿)のように、軽がろと輪を通り抜けたのです。
これではもう、誰も文句のつけようがありませんでした。
こうして、おばかさんは王さまの冠をいただき、長いあいだ賢く国を治めました。

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