「わたしの骨をのこらず拾って、
手巾へ包んで、」
そう歌いながら、鳥は持っていた赤い靴を、妹のマリちゃんの上に落しました。
「杜松の樹の根元へ置いた。
キーウィット、キーウィット、何と、綺麗な鳥でしょう!」
最後までこう歌うと、マリちゃんもあっという間に心が軽くなり、ウキウキとした楽しい気分になりました。そして、もらったばかりの赤い靴をパッと履くと、ステップを踏んで踊りながら、おうちの中へとび込んできました。
「わあ!」とマリちゃんは嬉しそうに言いました。
「お外に出るまではすごく悲しかったのに、もうすっかり胸が軽くなったわ!
あの鳥さんはなんて気前のいい子なのかしら、わたしにこんな可愛い赤い靴をくれたんだもの!」
「いいえ、そんなことない!」
お母さんはガバッと跳ね起きると、髪の毛を炎のように逆立てて叫びました。
「世界中が真っ暗に沈んでいくような気がするわ……!
私の胸が軽くなるかどうか、あたしも外に出て確かめてやるわ!」
そう言って、お母さんが玄関のドアから外へ一歩踏み出したその瞬間――。
ドシーン!!!
と、鳥は首にかけていた重い石臼を、お母さんの頭の上へとめがけて落としました。
こうして、お母さんは石臼の下敷きになり、ぺしゃんこにつぶれてしまったのでした。その音をきいて、お父さんとマリちゃんが、大慌てで家の中から飛び出して外を見ると、玄関の扉の前には、あたり一面に煙と炎と激しい火がモクモクと立ちのぼっていました。でも、その火がすっかり消えてなくなると、そのあとから、なんと元の姿に戻った小さな男の子がピンと立っていたのです!
お兄ちゃんは、お父さんとマリちゃんの手をギュッと握りしめました。みんなは嬉しさいっぱいで大喜びしながら家の中に入り、テーブルの前に仲良く並んで座って、みんな一緒に楽しい食事をしたのでした。
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