ブッシュ(ヴァイオリン)とゼルキン(ピアノ)による素晴らしいレコードがあります(ビクター7487-9)。
この二人の組み合わせによるブラームスは、もう一つ「ヴァイオリン・ソナタ=第二番イ長調(作品100)」もありますが(ビクターJD 151-2)、どちらも美しい作品です。
「ヴァイオリン・ソナタ=第三番ニ短調(作品108)」は、ブラームスのヴァイオリン・ソナタの中でも特に名作です。
ブラームスの堅実な素晴らしさ、つまり彼の美しい魂がそのまま表れた曲と言ってもいいでしょう。
レコードはたくさん出ていますが、ビクターのコハンスキー(ヴァイオリン)とルービンシュタイン(ピアノ)によるもの(JD 41-3)が、一番に挙げられるでしょう。
コハンスキーはこのレコード一組だけを残してこの世を去ってしまい、今では大切な形見となってしまいました。「チェロ・ソナタ=第一番ホ短調(作品38)」には、コロムビアからフォイアマン(チェロ)とデル・パス(ピアノ)の演奏(J 8317-9)が出ており、ビクターからはピアティゴルスキー(チェロ)とルービンシュタイン(ピアノ)の演奏(JD 993-5)が出ています。どちらにも良い点と足りない点があります。
「チェロ・ソナタ=第二番へ長調(作品99)」のカサルス(チェロ)とホルスゾフスキー(ピアノ)によるビクターのレコードは、まさに名演といえるでしょう(JD 1226-9)。
【三重奏曲、四重奏曲、五重奏曲】
「ピアノとヴァイオリンとホルンのための三重奏曲=変ホ長調(作品40)」と書くと長く感じますが、一般的には「ホルンのトリオ」として親しまれています。ブラームスの若々しさが香り立つような、非常に美しい曲です。レコードでは、ビクターからゼルキン(ピアノ)、ブッシュ(ヴァイオリン)、ブレイン(ホルン)が演奏した名盤が出ています(JD 554-7)。これは私の大好きなレコードの一つです。
「ピアノ三重奏曲=ハ長調(作品87)」は、ロマンティックで美しい響きが特徴です。ヘス(ピアノ)とダラーニ(ヴァイオリン)という二人の女性奏者に、甘美な音色を奏でるカサド(チェロ)を加えた演奏が、コロムビアの世界名盤集に収められています。
ブラームスのピアノ四重奏曲とピアノ五重奏曲には、強い気迫と情熱がこもっており、聴いていて非常に面白い作品群です。この形式こそ、ブラームスの性格にぴったり合っていたのでしょう。
「ピアノ四重奏曲=第一番ト短調(作品25)」における、ルービンシュタイン(ピアノ)とプロ・アルテ弦楽四重奏団の組み合わせ(ビクター JD 444-7)は、録音こそかなり古いものですが、ルービンシュタインの華麗なテクニックと、プロ・アルテの素朴な味わいとの間で、ややピアノに音が寄りすぎているきらいはあるかもしれません。それでも、元の曲の面白さと、ルービンシュタインの張り切った演奏に引き込まれ、私は良い記憶として心に残しています。
「ピアノ四重奏曲=第二番イ長調(作品26)」は、さらに優雅で艶やかな曲です。ビクターから出ているゼルキン(ピアノ)、ブッシュ(ヴァイオリン)、ドクトル(ヴィオラ)、ヘルマン・ブッシュ(チェロ)による演奏は、全体のバランスの良さとブラームスへの深い理解において、第一番よりも優れていると感じます(JD 764-7)。
「弦楽四重奏曲=第一番ハ短調(作品51の1)」では、ブラームスの室内楽の良さと、あの独特のくすんだ渋さをぜひ聴いてみてください。レコードはレナー四重奏団とブッシュ四重奏団のものがありますが、私はやはりブッシュの方を選びます(ビクター JD 134-7)。
「弦楽四重奏曲=第二番イ短調(作品51の2)」については、レナー四重奏団の盤だけが発売されています(コロムビア J 8023-6)。
「ピアノ五重奏曲=へ短調(作品34)」は、ブラームスらしい厳格で緻密な名曲です。古い録音しかありませんが、ビクターのバウアー(ピアノ)とフロンザリー弦楽四重奏団によるものは有名なレコードでした(6571-5)。コロムビアには、レナー四重奏団とレベルト夫人によるものもあります。
「クラリネット五重奏曲=ロ短調(作品115)」は、モーツァルトの同形式の曲と並び、室内楽における二大宝玉とも呼べる作品です。非常に美しく、心の奥深くまで響く曲です。レコードは、コロムビアからレナー弦楽四重奏団とドゥレーパー(クラリネット)の演奏(J 7600-4)が出ており、ビクターからはブッシュ弦楽四重奏団とケル(クラリネット)の演奏(JD 1534-7)が出ています。
コロムビア盤はもう12、3年も前のものなので録音はかなり古いのですが、クラリネットのドゥレーパーは名手です。モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」の時にも書いたはずですが、彼はベニー・グッドマン以上だと言えます。ここでも、録音が新しいビクターのケルより、ずっと巧みな演奏を聴かせてくれます。レコード選びにおいて録音の新旧は大きな条件ですが、私は「古い録音でも良いものは良い」という例として、このレコードを推したいのです。もちろん、ブッシュとケルの組み合わせも、決して悪いものではありません。
【ピアノ曲】
ブラームスは、ピアノ曲においても独自の境地を切り拓きました。それは内面的で雄々しく、時には近寄りがたいほど高尚ですが、世にも不思議な味わいと渋さを兼ね備えています。
「ピアノ曲集」は、バックハウスが演奏したブラームスの代表的な小曲を集めたもので(ビクター JD 545-51)、おそらくブラームスのピアノ・レコードの中では最も優れており、手に入れやすい一枚でしょう。中身はバラード4曲、狂詩曲2曲、スケルツォ1曲、間奏曲(インターメッツォ)6曲、ハンガリー舞曲2曲、円舞曲3曲で、このバックハウスの演奏は見事です。これほど円熟した技術と自信、そして深い理解を持ってブラームスを弾く人は、めったにいないでしょう。少し枯れたような味わいで、余計な思い入れを感じさせない演奏も、ブラームスを聴く上ではかえって好感を持てます。
「パガニーニの主題による変奏曲」も、ブラームスの有名なピアノ曲です。レコードはビクターにバックハウスの演奏があり(7419-20)、コロムビアにはペトリの演奏があります(JW 71-2)。どちらも優れた技術を持っていますが、録音は古くとも、私はバックハウスの方に心惹かれます。### 鎮魂曲、歌曲
ブラームスの「ドイツ・レクイエム(鎮魂曲)」は、さまざまな意味でとても重要な作品です。それは、遠くシューマンを偲び、さらに母の死を悼むブラームスの心から生まれたものであり、ドイツ語で書かれた初めての鎮魂曲であると同時に、芸術的にも非常に高い価値を持っているからです。
レコードでは、宗教音楽の研究者であり指揮者でもあるゲオルク・シューマンが、ベルリン・ジング・アカデミー合唱団とベルリン国立歌劇場管弦楽団を指揮したものがビクターから出ています(C 2377, 2381-3)。
これは「ドイツ・レクイエム」のほんの一部で、録音も古いものですが、演奏はとても立派なもので、全曲が収録されていないのが残念でなりません。
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