グリンカ
(ミハイル・グリンカ 1803-1857)
ロシア国民楽派の偉大な先駆者ですが、レコードは非常に少ないです。シャリアピンが歌った「疑惑」(ビクター DB1469)は名品です。管弦楽曲では「カマリンスカヤ」があります。
トーマ
(アンブロワーズ・トマ 1811-1896)
フランスの歌劇作曲家で、歌劇「ミニヨン」が知られています。その中でも「君よ知るや南の国」という歌は、驚くほど一般に広く親しまれています。かつてはファーラーやシューマン=ハインクのレコードがありましたが、新しいものではボリのビクター・レコード以外に見当たりません。また、ダル・モンテが歌う「ポロネーズ」などもおすすめできます。ヴェルディ
(ジュゼッペ・ヴェルディ 1813―1901)
イタリア歌劇界のそびえ立つ巨塔です。伝統を守り抜き、ワーグナーと真っ向から対立しましたが、ヴェルディの書くイタリア歌劇は、その豊かな創作力、次々と変化する表情の豊かさ、そして心に深く突き刺さる感動において、右に出る者はいないでしょう。
「リゴレット」「アイーダ」はそれぞれビクターから全曲盤が出ており、「椿姫」はコロムビアから全曲盤が出ています。どれも録音は古いですが、素晴らしい演奏です。
一曲ごとの歌唱では、カルーソー、ジーリ、ダル・モンテ、ガリ=クルチなどが優れたレコードを残しています。「椿姫」の前奏曲は、トスカニーニがニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団を指揮したものが名盤です。
ダルゴミジスキー
(アレクサンドル・ダルゴミジスキー 1813―1869)
ロシア風の、どこかゾクッとするような歌曲が特徴的です。
シャリアピンのレパートリーにもたくさん入っていましたし、ロージングなども好んで歌いましたが、今レコードで聴けるのはシャリアピンの「老下士」(ビクター7422)と、歌劇「ルーサルカ」の「狂乱の場」(同JD149)くらいしかありません。
フランツ
(ロベルト・フランツ 1815―1892)
フランツはシューベルトの後に続くドイツ歌曲(リート)の正統な後継者となるべき人ですが、穏やかで美しい曲を書く一方で、シューマンやヴォルフのような天才的なひらめきに欠けていたためか、どこか平凡で、あまり人を引きつける魅力に乏しいという残念な点があります。
「ロバート・フランツ歌謡曲集」は、エルンスト・ヴォルフ(バリトン)が彼の代表作16曲を歌ったもので、フランツのレコードとしては唯一のものと言ってよいでしょう(コロムビア J8660-2)。
グーノー
(シャルル・フランソワ・グーノー 1818―1893)
フランスで最も有名なオペラ作曲家で、歌劇「ファウスト」は今でもフランス人の誇りです。
昔のパテやコロムビアには全曲盤もありましたが、今ではポリドールから出ている要所をまとめた「縮小版」しかありません。
一曲ごとの歌では、ソプラノの「宝石の歌」はかつてメルバやファーラーのものが有名でしたが、最近のものならコロムビアのヴァランか、ポリドールのシャンピが良いでしょう。
バスが歌うメフィストの「セレナーデ」は、昔はプランソンかジュールネが最高でしたが、今は良いものがありません。
「金の犢(こうし)の歌」は、昔のシャリアピンが素晴らしかったです。
「ヴァレンティンの祈り」は、ビクターのティベットの歌唱以外に良いものがありません。
第二幕の「酒場の合唱」はビクターのメトロポリタン歌劇場盤が良く、第四幕の「兵士の合唱」はコロムビアのモラヨーリが指揮するスカラ座合唱団のものが良いでしょう。
他にも、グーノーには歌劇「ロメオとジュリエット」が少し録音されていますし、バッハのハ長調の前奏曲を伴奏に使った、あまりにも有名な「アヴェ・マリア」があります。
この曲は数え切れないほど録音されていますが、コロムビアのニノン・ヴァランのレコードがおすすめですよ。
オッフェンバック
(ジャック・オッフェンバック 1819―1880)
フランスの喜歌劇(オペレッタ)の作曲家で、大衆的で親しみやすい良い曲がたくさんあります。
歌劇「天国と地獄」の序曲などは、親しみやすいクラシック音楽の中では大関クラスの人気でしょう。ビクターにブレッヒが指揮したものがあります(JD1246)。
歌劇「ホフマン物語」の「船唄」も有名ですね。
古いレコードではファーラーが良かったのですが、最近のものならポリドールのミハツェック(ソプラノ)とハエンダー(バリトン)のドイツ語版も悪くありません(60168)。
コロムビアのベイリーとウォーカーのものは、本格的なソプラノとアルトの重唱で聴くことができます(J7539)。
ヴュータン
(アンリ・ヴュータン 1820―1881)
ベルギーで生まれたヴァイオリニストです。ヴァイオリンのための曲をたくさん書いており、その中には協奏曲だけでも6曲あります。
「ヴァイオリン協奏曲第五番 イ短調」はその中の一つで、コロムビアにデュボアとブラッセル王立音楽院管弦楽団による録音があります。
録音も古く、演奏もそこまで特筆するほどではありません。
ラロ
(エドゥアール・ラロ 1823―1892)
スペイン系の血を引くフランス人作曲家で、歌劇「イスの王」と、ヴァイオリン曲「スペイン交響曲」が有名です。
「スペイン交響曲」は、メニューイン、フーベルマン、メルケルのレコードがあります。
メニューインも良いですが(ビクター JD260-3)、私はやはりフーベルマンの、聴く者を圧倒するような武者震いする演奏に惹かれます(コロムビア J8320-2)。
当時のメニューインは、この曲を弾くにはまだ若すぎました。
メルケルは緑色のレーベルですが、確かな技術を持った素晴らしいヴァイオリンを聴かせてくれます。
「チェロ協奏曲 ニ短調」のマレシャル(チェロ)とゴオベエル(指揮)による演奏も良いですね(コロムビア J8133-5)。
スメタナ
(ベドルジハ・スメタナ 1824―1884)
ボヘミア(現在のチェコ)の国民的な音楽家で、その故郷の香りがする音楽の伝統を、後のドヴォルザークへと受け継ぎました。交響詩「モルダウ」は、連作交響詩「わが祖国」の中の一曲で、いくつかのレコードが出ていますが、最近のテレフンケンから出ている、イッセルシュテットがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したものがおすすめです(テレフンケン53613-4)。
スメタナの歌劇の中で有名な「売られた花嫁」は、序曲をワルターがロンドン交響楽団を指揮したものが、コロムビアの世界名盤集に入っています。
ブルックナー
(アントン・ブルックナー 1824―1896)
かつてブラームスと対立したロマン派の作曲家でしたが、ドイツの人以外にはあまり好まれず、レコードにも非常に恵まれていません。
「交響曲第四番 変ホ長調」の全曲盤が、カール・ベームの指揮でビクターから出ています。
ですが、これは万人向けというわけではありません。
昔のポリドールには、第六、第七、第八などの交響曲が入っていました。
コメント