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寺田 寅彦

初級翻訳・重兵衛さんの一家 第4話

のぞき見をしていた女性たちの目には、その仲睦まじい光景が、まるで何かとんでもない悪いことでもしている現場を押さえたかのように、とにかく笑いものにすべき、あるいはバカにすべきこととして扱われているようでした。 しかし、当時の自分にはその光景が...
寺田 寅彦

初級翻訳・重兵衛さんの一家 第3話

草原の草と草を結び合わせて通りかかった人をびっくりさせて転ばせたり、田んぼ道に小さな落とし穴を作って人をはまらせたり、夏の暗い夜に道の上の牛のフンの上にピカピカ光るホタルの虫を乗せておいたり、道端にサツマイモの葉っぱをかぶせた提灯(ちょうち...
寺田 寅彦

初級翻訳・重兵衛さんの一家 第2話

ところが、いくらねじってもねじっても、終わりがないようにどこまでもどこまでもねじれていくのでした。その時、ちょうどそこから一キロ(十町)ほど下流の河口を船で通りかかった人が、何だか水面でボチャボチャと音がするなと思ってよく見てみると、なんと...
寺田 寅彦

初級翻訳・重兵衛さんの一家 第1話

明治十四年(1881年)、ぼくがまだ四歳だった冬のことです。お父さんが名古屋の部隊から熊本の部隊へお仕事が変わることになって、おばあちゃんとお母さんと、お姉ちゃんとぼくの四人で、故郷の家に戻って落ち着きました。お父さんだけは一人で熊本へ出か...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・醜い家鴨の子 第5話

彼には一体どうしていいのか分らなかったのです。ただ、こう幸福な気持ちでいっぱいで、けれども、高慢な心などはちっぽけたりとも起こしませんでした。見っともないという理由で馬鹿にされた彼、それが今はどの鳥よりも美しいと云われているのではありません...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・醜い家鴨の子 第4話

ああ、子ガモにとって、どうしてあんなにも美しく、幸せそうな鳥たちのことを忘れられたでしょう! こうしてついにみんなの姿がすっかり見えなくなると、子ガモは水の中にぽっくりと潜り込みました。そして再び水面へと浮かんできましたが、いまやもう、さっ...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・醜い家鴨の子 第3話

あたりがすっかり静まりきったのは、もうその日もだいぶん晩くなってからでしたが、そうなってもまだ哀れな子家鴨は動こうとしませんでした。何時間かじっと坐って様子を見ていましたが、それからあたりを丁寧にもう一辺見廻した後やっと立ち上がって、今度は...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・醜い家鴨の子 第2話

つまり、あの方を見失わないようにしてみんながちゃんと気を配っているっていう証拠なのさ。さあさ、そんなにつま先を内側に曲げちゃいけないよ!育ちのいいアヒルのお子は、お父さんやお母さんみたいに、ほら、こうやって足を広く離して開くもんなんだ。さあ...
アンデルセン ハンス・クリスチャン

初級翻訳・醜い家鴨の子 第1話

それは田舎の、とってもお天気のいい夏の日でした。黄金色に実った小麦や、まだ青々とした燕麦(えんばく)、そして牧場に山のように積み上げられた干し草の山が、どこを見てもきれいに輝いている素晴らしい日でした。コウノトリは長い赤い脚で歩き回りながら...
小川 未明

初級翻訳・酔っぱらい星 第2話

佐吉は、なんだか見覚えのあるおじいさんのような気がしたので、じっとその顔を見上げました。すると、「あぁ、寒い、寒い。わしに酒を飲ませておくれ。」とおじいさんが言いました。佐吉は、とっくりを隠すようにしながら、「これはお父さんのところへ持って...
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