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芥川 竜之介

初級翻訳・鼻 第2話

でも、そんな作戦にイラッとする気持ちよりも、内供さんがそこまでして鼻を短くしたいと願う気持ちの方が、お弟子さんの心に強く響いて、かわいそうに思わせたのでしょう。お弟子さんは、内供さんの期待通り、口をすっぱくして、この方法を試すように熱心に勧...
芥川 竜之介

初級翻訳・鼻 第1話

お寺の偉いお坊さん、禅智内供(ぜんちないく)のお鼻は、池の尾(いけのお)では知らない人はいないほど有名でした。なんと、長さは五~六寸(約15~18センチ)もあって、上のおくちの上からあごの下まで、ずーっと垂れ下がっていたのです。形は、鼻のつ...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第4話

私たちはどうなっても、あなたさえ幸せになれるのなら、それ以上のことはないんだからね。大王が何と言っても、言いたくないことは黙っていなさい」それは確かに、懐かしいお母さんの声でした。杜子春は思わず、目を開けました。そして、馬の一匹が、力なく地...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第3話

しかし、すぐに目を開いて見ると、空は以前の通り晴れ渡り、向こうにそびえる山々の上にも、茶碗ほどの北斗七星が、やはりきらきらと輝いています。ということは、今の激しい嵐も、あの虎や白蛇と同じように、鉄冠子の留守を狙った、魔物のいたずらに違いあり...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第2話

「いや、お金はもういりません」「金はもういらない? ほう、では贅沢をするのにも、とうとう飽きてしまったというわけだな」老人は疑わしそうな目つきをしながら、じっと杜子春の顔を見つめました。「いいえ、贅沢に飽きたのではありません。人間というもの...
杜子春

初級翻訳・杜子春 第1話

ある春の日の夕方、中国の都、洛陽の西の門のそばで、一人の若者が空を見上げていました。この若者の名前は杜子春(とししゅん)。もともとはお金持ちの息子でしたが、今ではお金を使い果たしてしまい、毎日食べるものにも困るくらい、かわいそうな状態でした...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第3話

そういう時、私は向こうの山の頂上の岩に登って、空っぽの谷に向かって吠えるんだ。この胸を焼くような悲しみを誰かに訴えたいんだ。私は昨日の夕方も、そこで月に向かって吠えたんだ。誰かにこの苦しみを分かってほしいって。でも、獣たちは私の声を聞いて、...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第2話

それ以来、今までにどんなひどいことをし続けてきたか、それはとても話せるものではありません。ただ、一日の中に必ず数時間は、人間の心が戻ってきます。そういう時には、昔と同じように、人の言葉を話せますし、複雑な考えもできますし、経典の章句を暗唱す...
中島 敦

初級翻訳・山月記 第1話

むかしむかし、隴西(ろうせい)っていうところに、李徴(りちょう)っていう、とっても頭が良くて才能のある人がいました。天宝(てんぽう)っていう時代の終わり頃、まだ若かったのに、立派な名前を「虎榜(こぼう)」っていう、すごい人たちのリストに載せ...
宮沢 賢治

初級翻訳・注文の多い料理店 第2話

少し行くとまた扉があって、その前にガラスの壺が一つありました。扉にはこう書いてありました。「壺の中のクリームを、顔や手足にすっかり塗ってください。」見ると、確かに壺の中身は牛乳のクリームでした。「クリームを塗れって、どういうことだろう?」「...
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