佐野 良二 初級翻訳・尾なし犬 第1話
丘を渡る風がとても心地よかった。克夫(かつお)は、崖の突き出しに生えた草むらに腰を下ろし、夢中でスケッチブックに向かっていた。目の下に広がる小樽港の景色が、キュッと凝縮されて膝の上の画用紙におさまっていく。空は薄曇りで、海面は鮮やかな青とい...
佐野 良二
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