神サマを生んだ人々

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坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第1話

二号の客引き 大巻(おおまき)博士が、どうしたものかと頭を抱えながら、温泉の街の海岸通りを歩いていると、ポンと背中をたたかれた。「大巻先生じゃありませんか!」 振り返ってみると、五十歳くらいで、まるで俳句の先生のようなシブい格好をした人物が...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第2話

今までの恩返しとして、これ以上多くのことはしなくていいから、それなりの手切れ金をもらって、そのお金を持って出ていけと言うんです。誰かの二号にしていただかないと、もう我慢ができません」 女は思いつめているせいか、いっそう表情をなくし、おいおい...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第3話

その代わりと言ってはなんですが、あなたと彼女の関係をきっぱり清算して、これからは旦那ヅラをしないという一札を書いていただきたいんですがね」 安福軒は面白そうに日野くんの顔をじっと観察していた。この日野くんという男は当時三十歳。呉服屋の手代と...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第4話

あの夫人にはたしかに妙な霊力があるし、それに管長が若年に似ず商売熱心なんだね。教祖が直接患者を診察するのは一度だけで、あとは管長その他が代診するらしいが、ボクの娘の場合で言うと、治るまで管長が毎日欠かさず水行(みずごり)を取りに来てくれたぜ...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第5話

「とにかく、ボクも一応は管長ですからね。教祖さまと違って、ボクには体に備わっているような霊の力なんかないものですから、外見をちゃんとしたりして苦労するんですよ――」この頭だって、毎日バリカンを当てて、フケひとつないようにゴシゴシと磨いている...
坂口 安吾

初級翻訳・神サマを生んだ人々 第6話

そんなことよりも、ほら、すぐそこに知った顔が見えませんか」そう言われて二人がその場所を見ると、そこに座って無念無想の境地で呪文を唱え、腕を振り回しているのは、なんと川野水太郎の奥さんでした。それを見た川野は少し暗い表情を浮かべましたが、すぐ...
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