青い風呂敷包

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大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第1話

ゴリラ 江川初子がカフェー・ドラゴンでの仕事を終えてアパートへ帰ってきたのは、朝の五時ごろのことでした。 彼女がハンドバッグから部屋の合鍵を取り出して扉を開けると、ひんやりとした朝の空気がすうっと顔を撫でました。「おや?」と思って見ると、通...
大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第2話

妹も美しいですが、カフェー・ドラゴンのナンバーワンである姉の初子も、かなりの美人です。「吉川と百合子はどこで知り合ったんだ?」「私と一緒に横浜で女給をしていた時です。吉川さんは妹をとても贔屓(ひいき)にしてくれました。その頃、あの人はまだ学...
大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第3話

主人は、その車は昨日の夕方、交代の時間に吉川が運転して車庫を出たものであると証言しました。一日に二つの殺人事件が続発したことで捜査課は動揺し、全機関を総動員して犯人逮捕に奔走しましたが、初子以外には一人として容疑者が挙がることはありませんで...
大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第4話

バタバタと裏階段を駆け上がる足音がしたので、吉川は彼女を突き飛ばすと、階段を飛ぶように駆け降りて、表へ逃げ出しました。初子は気が狂ったようになって悔しがり、「美佐ちゃん、早く――、ゴリラを捕まえておくれよ」と騒ぐので、美佐子は吉川の後を追い...
大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第5話

医者たちも頭を抱えていて、家族の人たちも皆駆けつけて、病室に詰めきっているんですよ」杉村は驚いて椅子を立ち、係長に会釈して、「では、ちょっと行ってきます」と部屋を出ようとすると、出合い頭に山本桂一が顔を出しました。「川口氏はたった今、息を引...
大倉 燁子

初級翻訳・青い風呂敷包 第6話

彼は眠り続けたまま、二度と目覚めることはなかったのです。これほど完璧に計画を練った彼でしたが、ただ一つ、最も大切なことを忘れていました。それは、死者の口の中に残されていた、あの小指の先のことでした。
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