論語物語

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下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第44話

(もう一度、絶対に先生を元気にしてやるぞ!)いつもの熱い気性が、急に彼の体じゅうによみがえってきた。彼は、だんだん自分の足音が大きくなっていることも忘れ、あれこれと今後の看病の方法を必死に考え続けた。しかし、いくら頭をひねっても、これまで以...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第43話

彼は孔子の声を聞くとスッと立ち上がり、子貢のすぐそばまで歩いていくと、孔子に向かって丁寧な一礼(揖=ゆう)をした。その姿は、まるで青々としたアシが風に優しく揺れているかのようだった。孔子は彼をじっと見つめながら、こう言った。「詩の中に、『サ...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第42話

」「むろんです……!そ……それでは、そうではないと言うのですか……!」 子貢の声は、怒りと悔しさで激しく震えていた。 孔子は夜空の星をぐっと仰ぎ見ながら、かすかなため息をついた。しかし、すぐにまた子貢の顔をじっと見つめると、ゆっくりと、しか...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第41話

しかし彼は、父親と息子が争い合うような悲惨な戦いに、自分の力を少しでも貸すことなど絶対に嫌だったのだ。次の日、彼は急いで衞の国を去った。それから宋に行き、陳に行き、蔡に行き、葉に行き、そしてまた蔡へと引き返した。しかし、彼の期待は行く先々で...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第40話

」孔子は、子路の心を落ち着かせるように、ゆったりと言った。「そうです! 隠者でした。とてつもなく偉い隠者でした!」子路は爆発するような声でそう言い放つと、孔子の顔をまともに見た。しかし、孔子の顔は驚くほど静かで、晴れやかだった。それは子路が...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第39話

しかし返事をする代わりに、道路の方に目をやり、そこに停まっている孔子の馬車を見つけると、もう一度胡散臭そうな目で子路の顔を見た。「渡し場の方に行きたいのですが……」子路は少し腰をかがめながら、もう一度尋ねた。「あれは誰かね。あの上で馬車の手...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第38話

「お前さんは誰かね?」子路は答えました。「仲由(子路)と申します」桀溺は言いました。「それじゃあ、あの魯の孔丘の弟子だな?」子路は答えて言いました。「はい、そのとおりです」桀溺は言いました。「世の中はまるで濁った大河の水のようにおお荒れで、...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第37話

そして、一刻も早く自分の思うツボへと孔子を誘導していきたいと考え、すぐに次の話を切り出しました。「ところで、政治というものは、ただ民衆を喜ばせるばかりが取り柄ではなく、民衆を正しく導くことが何よりも大切だと存じますが、いかがなものでございま...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第36話

しかし、葉公にとって、臣下からのそのような激励は一種の侮辱でしかありませんでした。彼は妙に反発心を覚えました。(今に見ていろ、一ぺんであの孔子をギャフンと言わせてやり、へこませてみせるからな!)けれども、孔子を言い負かすような立派な政治上の...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第35話

孔子は少しもどかしそうに言いました。「まわりの人たちが自分のことをどう思っているかばかりが気になるのは、まだどこか心の中に暗い影があるからじゃよ。」司馬牛はハッとして、ヒヤリと冷たいものが背中を走りました。(なんだ、自分のことだったのか!)...
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