下村 湖人

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下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第14話

そして、きまり悪そうな顔をして、こそこそと孔子の室を退いた。大廟に入りて子|大廟に入りて、事毎に問う。或ひと曰く、孰か※人の子礼を知ると謂うか。大廟に入りて事毎に問うと。子之を聞きて曰く、是れ礼なりと。――八※篇――子曰く、由や、女に之を知...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第13話

」しかし孔子は、ますます真面目な顔をして言った。「そうか、これがいまどきの觚か。……いや、これは觚ではない。觚などではない。」門人は困惑した。彼は一生懸命に弁明するように言った。「でも、どこの家でも今ではこの型のものを使っていますよ。第一、...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第12話

また、一口に過ちといっても、それには小人の過ちもあれば君子の過ちもある。過ち次第では、それによってその人に仁のきざしがあるのを知ることも出来るのじゃ。しかし何を云っても口先で人を云いくるめようとする心だけは宜しくない。そんな事を許して置けば...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第11話

あれなども、人間の生命力を信ずる者にとっては全く物足りない歌じゃ。なあに、道が遠いことなんかあるものか。道が遠いといってへこむのは、まだ思いようが足りないからじゃ。はっ、はっ、はっ。」孔子は、いかにも愉快そうに、大きく笑った。冉求は、このご...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第10話

しかも、それこそが、孔子が日々のさまざまな出来事を鮮やかに片付けていく力の源なのだ。それは決して、自分が以前に考えていたような、ただきれいなだけの空想などではない。十分に現実をしっかりと見据えた、血のにじむような実生活上の真理なのだ。そして...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第9話

自分の言葉が、図星に中りすぎて、さすがに先生も困って居られるな、と思った。彼は何とかその場を繕わなければならないと思ったが、残念ながら、そんな場合の技巧は、彼の得意とするところではなかった。で、彼も丸太のようにおし默っていた。そのうちに、彼...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第8話

「先生、どうか先生の御理想もお聞かせ願えないでしょうか」孔子は、子路が顔淵に対してさえもその浅はかなプライドを捨てきれていないのを見て、暗澹(あんたん)たる気持ちになりました。そして、深い同情の目を子路に向けながら答えました。「わしかい、わ...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第7話

それは、顔淵が、孔子の片言隻句からでも深い意味をさぐり出して、それを事上に錬磨することを怠らなかったからである。顔淵は、実に、一を聞いて十を知る明敏な頭脳の持主であった。だが、孔子の心をひきつけたのは、彼の頭脳ではなくて、その心の敬虔さであ...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第6話

)あいつらには、先生のいつも仰しやる「恕」とか、「己の欲せざるところを人に施してはならない」とかいうことが、恐らく、こんな時にだけ役に立つのだ。 そんな皮肉な考えが、自然に彼の頭に浮んで来る。そして、そのあげくには、孔子だって、本音を洗って...
下村 湖人

初級翻訳・論語物語 第5話

君子は徳を以てすべての人の才能を生かして行くが、それは自分を忘れることが出来るからじゃ。才人は自分の才能を誇る。そしてその才能だけで生きようとする。無論それで一かど世の中のお役には立つ。しかし自分を役立てるだけで人を役立てることが出来ないか...
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