佐々木 邦

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佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第22話

僕みたいにカバンをポンと放り出して、「ただいま!」 の一言で済ませ、「お母さん、何か食べるものない?」 とすぐにガツガツおやつにかぶりつくようなわけにはいかないのだ。「源太郎は本当に行儀が悪いんだから。お隣の文一さんを見習いなさいよ」 とお...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第21話

でも、お前が行かなければ文一さんも行けないんでしょう?」「そうなんだ」「まあいいでしょう、文一さんと一緒ならね。他のお友達と出かけちゃダメですよ」 とお母さんは快く承知してくれる。同じ頃、文一君は文一君で、こんなふうに立ち回っていた。「お母...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第20話

耳が遠くなったり、老眼になったり……」「耳が遠くなったわけじゃないよ!」「耳がおかしくなったり老眼になったりして、やっぱり厄年というのは争えませんわねえ」「老眼じゃない。視力が衰えたんだ」 とお父さんは「老眼」という言葉もお気に召さない様子...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第19話

でも、電灯の下でよく確かめてみたらちゃんと動いていたから、今度は右の耳にあてがってみたんだ。そしたらカチカチとちゃんと聞こえるじゃないか? それから何度も試してみたんだけど、左の方はすっきりとすぐそばまで寄せないと聞こえないんだ」 とお父さ...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第18話

寿命は、結局のところ『ものが食えるか、食えないか』で決まるんだ」 と、大男はさらに持論を主張して間もなく電車を降りていきましたが、きっと若い部下を牛肉屋に引っ張っていったに違いありません。「初老」とは四十歳の別の呼び方であると覚えています。...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第17話

イギリスやアメリカのお墨付きがついて初めて、「これは良いものだ」と採用する。何をするにもいつもこの調子なのです」とお祖父さんの演説はなかなか長くて、謡曲(のうきょく)のお稽古はなかなか始まりませんでした。ドイツを打ち負かした主力だって、イギ...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第16話

「いやぁ、自分で思っているほど、私の人相が良くないという証拠ですなぁ。来るたびにこの犬に吠えられてしまいますよ」杉山さんは、いつもこんなふうにユーモアのある冗談を言う人でした。「いいえ、先生がまだこの犬と仲良しになっていないからですよ」僕は...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第15話

うちの子たちはみんな、どこかすばらしいところがあるんだから」とお祖父さんは、みんなを平等に褒める「総花主義」を取らざるを得なかった。「あら、ずるい言い方」「いや、本当のことだよ。物覚えがいいくらいだから、機転も利く。俺は本当に感心しているん...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第14話

目から鼻へ抜ける(※とても抜け目なくて賢いこと)というのは、まさにあの子のことだな。とても七歳や八歳の知恵とは思えないよ」とお祖父さんは口癖のように言う。家族だけでなく、碁を打ちに来るお客さんや、謡曲(能の歌)の相手をする友人までが、三度に...
佐々木 邦

初級翻訳・親鳥子鳥 第13話

「困ったなあ」と僕は、帽子をかぶっていない紳士のお供をして学校の友達に会うのが怖くてたまらなかった。「久作さん、お郷里とは違って、東京は帽子をかぶらなくちゃ出歩けないんですよ」とお母さんはお父さんの古い帽子を出してきた。久作さんはそれにかぶ...
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