吉川 英治

スポンサーリンク
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第39話

周りに並んでいるのは鬼のように荒々しい武骨者ばかりで、ここはまるで大きなお寺の本堂のような薄暗い大広間です。ふつうの子どもなら、こんな場所では生きた心地もしないはずですが、竹童はケロッとした顔で言いました。「うわあ、呂宋兵衛って外国の血が混...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第38話

「むうッ、ではなんだって? あの武田伊那丸のやつらが、穴山梅雪をやっつけて、おまけに湖の底から宝物の石櫃(いしびつ)まで取り出したというのか!あの中に入っていたはずの『御旗楯無(みはたたてなし)』の宝物は、ずっと前にこっちでそっくり入れかえ...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第37話

そんなことはどうでもよい!おまえには、また別の大事な言い付けがあるのじゃ」ほかならぬ、これから富士の人穴へ行って、そこに住んでいる和田呂宋兵衛という盗賊のかしらに会ってくるのじゃ。しかし、普通の方法ではすぐに怪しまれてしまうから、あくまでお...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第36話

これからひとつ、裾野まで飛んでいって、勇ましいところを空から見物してやろうっと!」日ごろから果心居士によくお叱りばかり受けているというのに、竹童はもう鞍馬山へ帰ることもすっかり忘れ、こんな大それた野望を思いついてしまったのです。思い立ったら...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第35話

「人非人(にんぴにん)め、斬ってしまえッ!」伊那丸の命令が下ると同時に、「はッ!」とその声に応えて飛び出したのは、巽小文治(たつみこぶんじ)の赤い柄の槍でした。梅雪の体がまだ地面につかないうちにサッと突き上げ、ブーンと一振りして地面にたたき...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第34話

「老いぼれ」 すかさずその襟がみをムズとつかんだ武芸者は、その時ガサガサと丘の下からかけあがってくる木隠龍太郎の姿をみとめた。「あいや、それへおいであるのは、武田伊那丸君のお身内でござらぬか」「オオ!」 びっくりして、高き岩頭をふりあおいだ...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第33話

まさしくここへさしてくる者は三騎の勇士だ。そのはやきこと疾風、その軽きことかける天馬かとあやしまれる。三 わーッ、わーッと湖畔にあがったどよみごえ。さては伊那丸がとらえられたか、咲耶子が斬られたか、あるいは、小幡民部がたおれたのであろうか。...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第32話

「曲者」愕然と、おどりあがった四天王たち。同時に、その余の群猛も渦をまいて、「うぬッ、気が狂ったかッ」「裏切者ッ――退くな」 とばかり、一どに総立ちになるやいなや、民部の上へ、どッとなだれを打ってきた剣の怒濤。湖南の三騎士一 梅雪入道は、み...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第31話

おお、殿さま!ただいまの言葉をお聞きになられましたか」ちょうどそこへ、遅れて到着した梅雪の姿を見て、民部がそう言いながら馬の上を見上げると、梅雪はニンマリと笑ってうなずきました。「聞いたぞ。あいつの言うことが本当ならば、すぐに湖から宝を引き...
吉川 英治

初級翻訳・神州天馬侠 第30話

あるのはただ、一面の秋草の波に、秋風がザーッと吹き抜けていく音ばかりでした。まるでキツネにでもばかされたような、ぽかんとした様子を丘の上から眺めていた咲耶子は、帯のあいだに笛をはさみながら、ニッコリと微笑みを浮かべ、丘のうしろへと飛び降りよ...
スポンサーリンク