夢野 久作

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夢野 久作

初級翻訳・犬の王様 第1話

むかしむかし、ある国に、ひとり暮らしの王様がいました。家来たちがいくらお妃(きさき)さまをむかえるようにおすすめしても、王様はけっして首をたてにふりませんでした。子どももいないかわりに、一匹の犬をわが子のように大切に育てて、毎晩かわいがって...
ペンとインキ

初級翻訳・ペンとインキ 第1話

ペンとインキ夢野久作あるとき、ペン先がインキに向かって、ぷんぷん怒りながらこう言いました。「お前ほど、イヤなやつはいないよ!ぼくがどんなにピカピカの金の服を着ておしゃれをしていても、お前はすぐにぼくの体をサビつかせて、ボロボロにして使えなく...
ルルとミミ

初級翻訳・ルルとミミ 第5話

ミミちゃんが『花の鎖につかまってお兄さんに会いに行く』と言っていたから、みんなで加勢してあげたのよ」と、二、三人の女の子たちが言いました。村の人々は皆、泣きました。泣きながら、その花の鎖を引き上げようとしました。お月様がだんだん西に傾いてい...
ルルとミミ

初級翻訳・ルルとミミ 第4話

「ねえ、ルル兄さま!」「なあに……ミミ」「女王様は、なんだかお母様のようじゃなかった?」「ああ、僕もそう思ったよ」「あたし、なんだかお別れするのが悲しかったわ」「ああ、僕もミミと二人きりで湖の底にずっといたいような気持ちになったよ」こんなこ...
ルルとミミ

初級翻訳・ルルとミミ 第3話

……ここは、ふつうの人間が簡単には来られない場所なのに……と心の中で思いながら、女王様はミミにこう問いかけました。「お前は、どこの娘さんなのかえ?」ミミは丁寧にお辞儀をしました。そして、涙をいっぱいにためてお願いしました。「私はミミと申しま...
ルルとミミ

初級翻訳・ルルとミミ 第2話

湖の周りに数え切れないほど咲いている睡蓮の花も、その夜はいつものように眠らずに、ミミの姿と一緒に、開いた花の影を水の上に浮かべていました。お月様はだんだんと高く昇っていきました。それと同時に、睡蓮の花には涙のような露がいっぱいにこぼれかかり...
ルルとミミ

初級翻訳・ルルとミミ 第1話

むかし、ある国に、水晶のように澄みきって光り輝く、とても美しい湖がありました。その湖のほとりに、小さな村がありました。そこに住んでいるのは親切な人たちばかりで、本当に楽しい村でした。けれども、その湖の水が黒くにごってくると、村に何かしら悲し...
きのこ会議

初級翻訳・きのこ会議 第1話

ハツタケ、マツタケ、シイタケ、キクラゲ、シロタケ、ガンタケ、ヌメリタケ、シモフリタケ、シシタケ、ネズミタケ、カワハギタケ、コメマツブサ、ムギマツブサといったキノコたちが、ある夜こっそりと集まって、おしゃべり会を始めました。一番最初に、ハツタ...
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