小川 未明

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北の国のはなし

初級翻訳・北の国のはなし 第1話

あるところに、とてもぜいたくな暮らしをしている人がいました。その人は、季節なんてお構いなし。何でも食べたくなると、すぐに人をあちこちへ走らせて、それを手に入れようとしました。「いくらお金がかかってもかまわないから、探し出してこい!」その人は...
兄弟のやまばと

初級翻訳・兄弟のやまばと 第2話

町の人間は、山ばとは殺してもいいことになっているのですよ」二羽の子ばとは、なるほど自分たちの着物が、町から来たハトに比べて確かに粗末だったことを思い出しました。けれど、母親の言うように「着物の良し悪しで殺されたり殺されなかったりするはずがな...
兄弟のやまばと

初級翻訳・兄弟のやまばと 第1話

「お母さん。これからまた冷たい風が吹いて、さびしくなりますね。あたり一面が真っ白な雪で埋め尽くされて、私たちの目を楽しませてくれるものは何もなくなってしまうのですね。どうして、お母さんはこんなさびしい場所に住み続けたいのですか?」子ばとたち...
僕のかきの木

初級翻訳・僕のかきの木 第1話

もう、五、六年も前のことになります。ある日のこと、賢吉は友だちが畑の前で遊んでいるのを見つけました。自分もいっしょに遊びたいと思って、駆け寄っていきました。「清ちゃん、なにをしているの?」そう声をかけて立ち止まると、清次はこう答えました。「...
僕が大きくなるまで

初級翻訳・僕が大きくなるまで 第1話

小学校に通っていたころの話です。ある朝の時間は算数でしたが、友吉はこの日もまた遅刻してきました。「山本、そう毎日遅れてきて、どうするつもりなんだ」先生は厳しい目つきで友吉をにらみました。そして、その授業が終わるまで、友吉を教壇のそばに立たせ...
僕がかわいがるから

初級翻訳・僕がかわいがるから 第1話

正ちゃんの飼っている黒い犬が、このところ近所の鶏を捕まえたり、ウギ(魚)を捕まえたりして、みんなからひどく嫌われていました。「今度また見かけたら、鉄砲で撃ち殺してやる!」なんて言っている人もいるくらいです。けれど、正ちゃんはクロをとてもかわ...
仲よしがけんかした話

初級翻訳・仲よしがけんかした話 第1話

風ひとつない、ぽかぽかとした暖かい日でした。お宮の境内で、伸ちゃんと清ちゃん、それに女の子たちがみんな集まって遊んでいました。ときどき風が吹いて、境内の杉の木々が「ゴウー」と音を立てると、まるで海岸に打ち寄せる波の音が聞こえてくるようでした...
五銭のあたま

初級翻訳・五銭のあたま 第1話

ある田舎に、そっくりな床屋さんが二軒ありました。二人はいつも、相手よりもたくさんのお客さんを自分の店に呼び込もうと競い合っていました。一軒の店が店の前をきれいに掃除すれば、もう一軒も「負けてたまるか」と大工さんを呼んでピカピカに直します。一...
二番めの娘

初級翻訳・二番めの娘 第3話

小父さんは薬を売りに諸国を歩いていましたが、留守の間はおばあさんが薬屋のお店番をしていました。二番めの娘は、こんなふうに幸せでいればいるほど、故郷のお姉ちゃんや弟、そして大好きな母親のことを思い出さずにはいられませんでした。「いまごろ、お母...
二番めの娘

初級翻訳・二番めの娘 第2話

娘は、薬売りの小父さんにつれられて、みんなと別れ、ついに出発のときを迎えました。母親は涙を流しながら見送りました。お姉ちゃんや弟たちは、村のはずれまでいっしょに歩いて見送りました。そして娘は、まるでうしろ髪を引かれるような思いで、何度も何度...
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