小川 未明

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小川 未明

初級翻訳・月夜と眼鏡 第2話

石ですりむいて切ってしまったんだね」と、おばあさんは心の中で思いましたが、目がかすんでいて、どこから血が出ているのかよく見えません。「さっきの眼鏡はどこへ行ったかしら」と、おばあさんは棚の上を探しました。眼鏡は目ざまし時計のそばにあったので...
小川 未明

初級翻訳・月夜と眼鏡 第1話

町も野原も、いたるところが青々とした緑の葉っぱに包まれる季節のことでした。月明かりがとてもきれいな、穏やかな夜のことです。しんと静まり返った町のはずれに、ひとり暮らしのおばあさんが住んでいました。おばあさんは窓の下に座って、針仕事をしていま...
小川 未明

初級翻訳・牛女 第2話

人々はその後もたびたび真夜中に、牛女が寂しそうに町を歩いている姿を見かけました。「きっと牛女は、子供が故郷から出て行ってしまったのを知らないんだ。だから、この町の中を歩いて子供を探しているに違いないよ」と、人々は言いました。雪が完全に消える...
小川 未明

初級翻訳・牛女 第1話

ある村に、背がとても高くて大きな女の人が住んでいました。あまりにも体が大きいので、いつも首をすくめるようにして歩いていました。その女の人は、耳が聞こえず、話すこともできませんでした。でも、心はとてもやさしく、涙もろい人で、自分の一人息子をと...
小川 未明

初級翻訳・野ばら 第1話

大きな国と、それより少しだけ小さな国が、隣り合っていました。しばらくの間、この二つの国は、何事もなくとても平和でした。ここは、国の中心から遠く離れた、国境の場所です。そこには、それぞれの国からたった一人ずつ、兵隊が派遣されていて、国境のしる...
小川 未明

初級翻訳・赤い蝋燭と人魚 第3話

「これほどの大嵐では、あの船はもう助からないだろう」おじいさんとおばあさんは、ガタガタと震えながら話し合っていました。夜が明けても、沖のほうは真っ暗で、恐ろしい景色が広がっていました。その夜、難破して沈んでしまった船は、数えきれないほどだっ...
小川 未明

初級翻訳・赤い蝋燭と人魚 第2話

誰でもその絵を見ると、つい蝋燭がほしくなってしまうような、不思議な力と美しさがその絵には宿っていたのです。「うまく描けるはずだ。人間ではない、人魚が描いたのだもの」とおじいさんは感心して、おばあさんと話し合いました。「絵を描いた蝋燭をくださ...
小川 未明

初級翻訳・赤い蝋燭と人魚 第1話

一人魚が住んでいるのは、南の海だけではありません。北の冷たい海にも、人魚は住んでいたのです。北の海の色は、深い青色をしていました。ある時、一人の女の人魚が岩の上に上がり、まわりの景色を眺めながら休んでいました。雲のすき間から漏れた月の光が、...
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