小川 未明

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サーカスの少年

初級翻訳・サーカスの少年 第2話

すると村長らしい老人が、「おまえさんが今まで受けてきたつらい修行のおかげで、あの高い崖に登れたのだから、その宝物は誰のものでもない、おまえさんのものだ」と言いました。この正しい判断によって、初めて少年の運命は、美しく、花のように開けたのでし...
サーカスの少年

初級翻訳・サーカスの少年 第1話

まぶしいほどに輝く、夏の日のことでした。少年が外で遊んでいると、花で飾られた柩(ひつぎ)をのせた自動車が、通りを走り抜けていきました。そして、道の上へ、一枝の白い花をポトリと落として去っていったのです。これを見つけた子供たちは、あちこちから...
おもちゃ店

初級翻訳・おもちゃ店 第1話

長二は、貧しい家に生まれ、おもちゃひとつ買ってもらえないまま、幼くして亡くなってしまいました。通りかかったおもちゃ店の、美しいガラス張りの店頭には、西洋の贅沢な小間物や、赤や紫に塗られたゴムまり、顔がぴかぴかと映る銀の笛、それにラッパなど、...
小川 未明

初級翻訳・青い時計台 第2話

娘たちはみんな美しく着飾っていて、これまでになくきれいに見えました。そしてテーブルの上には、いろいろな花が咲き乱れているだけでなく、桃色のランプのほかに緑色のランプも灯っていて、まるで楽園に来たような気分でした。けれど、たった一人、お父さん...
小川 未明

初級翻訳・青い時計台 第1話

一 さよ子は毎日、日が暮れるころになると、二階のベランダの柵(さく)にもたれかかって、外の景色をながめるのが大好きでした。 まぶしいほど青々とした葉っぱに風が吹き抜け、海のような色の空に星がキラキラと光りだすと、遠くの町の明かりが、ミルク色...
小川 未明

初級翻訳・幽霊船 第2話

乙が顔を上げて沖の方を見ると、間違いなく、あの懐かしい船の姿がありました。しかも、昨日見たのと同じ……あの幽霊船が……こちらへ向かってこいでくるのが見えたのです。一瞬、ハッとしてうれしさに胸が躍りましたが、次の瞬間には、気味の悪さで体じゅう...
小川 未明

初級翻訳・幽霊船 第1話

沖のほうをながめると、キラキラと光るものが見えます。海の水はどこまでも深く、青黒い色をしていました。このあたりは北極に近い場所なので、いつもキーンと冷え切っています。その光るものは、だんだんと岸のほうへ近づいてきました。よく見ると、それが何...
小川 未明

初級翻訳・金の輪 第1話

一 太郎は長いあいだ病気で寝込んでいましたが、ようやく布団から出て、外へ行けるようになりました。 でも、まだ三月の終わりだったので、朝や晩はひんやりと冷え込むことがありました。 だから、お母さんからは「日が当たっているときは外で遊んでもいい...
小川 未明

初級翻訳・眠い町 第2話

それを見てかわいそうに思った少年は、ほんの少しの砂を監督人の体にふりかけました。すると監督は、あっという間に猛烈な眠気に襲われて、「さあ、みんなもちょっと休むぞ」と言い出し、帽子を顔に乗せて日の光を遮ると、ぐうぐうと寝込んでしまいました。ケ...
小川 未明

初級翻訳・眠い町 第1話

一 この少年の名前は、だれにも知られていませんでした。ですから、ここでは仮に「ケー」と呼ぶことにします。あるとき、ケーはこの世界を旅していました。そして、ある日ふしぎな町にたどり着きました。その町は「眠い町」という名前でした。町をのぞいてみ...
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