それを見てかわいそうに思った少年は、ほんの少しの砂を監督人の体にふりかけました。すると監督は、あっという間に猛烈な眠気に襲われて、「さあ、みんなもちょっと休むぞ」と言い出し、帽子を顔に乗せて日の光を遮ると、ぐうぐうと寝込んでしまいました。
ケーは汽車に乗ったり、汽船に乗ったり、鉄工場に行ったりして、この砂をいたるところでまき続けました。そうして、ついに袋の中の砂はなくなってしまいました。
「この砂がなくなったら、またあの『眠い町』へ帰ってきなさい。そうすれば、おまえをこの国の皇子にしてやろう」
じいさんが言ったその言葉を思い出し、少年はじいさんに会おうと思って「眠い町」へ向けて旅立ちました。
何日かして「眠い町」へ到着しました。
けれども、そこにはいつの間にか、昔見たような灰色の建物は跡形もありませんでした。
それどころか、そこには巨大な建物が立ち並び、煙が空を覆い尽くすばかりか、鉄工場からは大きな響きが聞こえ、電線はクモの巣のように張り巡らされ、電車が町の中を縦横無尽に走っていました。
そのありさまを見た少年は、あまりの驚きに声を出すこともできず、ただただ目を大きく見開いて、必死にその光景を見つめていました。
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