初級翻訳・お月さまと ぞう 第1話

お月さまと ぞう

正ちゃんとよし子さんが、門のところにたらいを出して水をいれると、まんまるなお月さまの顔がうつって、にこにこと笑いました。
「さあ、わたしをよく見てください」
と、月がいいました。
「大きなお月さまねえ」
と、よし子さんがよろこびました。
「あの黒い模様は、うさぎかしらん」
と、正ちゃんが首をかしげました。
「本当のうさぎかな?」
と、よし子さんがききました。
「ううん、望遠鏡があると、よくわかるんだよ」
正ちゃんは上を向いて、お月さまをながめました。
「わたし、首がいたくなっちゃうから、たらいの中のを見ましょうよ」
このとき、むこうがやがやとにぎやかになりました。
「ごらん、ぞうが来た!」
と、正ちゃんがびっくりしました。
大きなぞうが、通りを歩いてやってきたのです。
サーカスが、どこかへ向かうところでした。
キラキラひかる青い服をきたおねえさんと、黒いズボンをはいた男の人が、ムチを持ってあとをついてきます。
「こわいわ」
と、よし子さんはおうちに入ろうとしました。
「ぞうさんはおりこうだから、こわくないよ」
と、正ちゃんがとめました。
門の前にくると、ぞうはこちらを向いて、長い鼻でたらいの水を吸うと、ゴクゴクと飲みほしてしまいました。
「あら、お月さまを飲んじゃったわ!」
と、よし子さんがいいました。
「いたずらをしちゃダメでしょ!」
と、ぞうはおねえさんのムチで、ピシリとたたかれました。

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