小川 未明

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大きなかに

初級翻訳・大きなかに 第1話

それは、なかなか春が来ない、雪のたくさん積もった北の国のお話です。ある日のこと、太郎くんはおじいさんが帰ってくるのを待っていました。おじいさんは、12キロほど離れた海岸にある村へ用事があって、その日の朝早くに家を出かけたのでした。「おじいさ...
大きなかしの木

初級翻訳・大きなかしの木 第2話

冬になって、あたりが寂しくなったら、そのときにゆっくり南の国の話を聞かせてもらおう」とかしの木は思いました。光り輝く、希望にあふれた夏は、ずいぶん長く続きました。けれども、やがて秋がやってきました。年老いたかしの木は、まわりの木々の葉っぱが...
大きなかしの木

初級翻訳・大きなかしの木 第1話

野原の真ん中に、一本の大きなかしの木がありました。その木が何歳なのか知っている人はだれもいないくらい、ずっとずっと長い間、そこに立っていたのです。木は、ふだんはいつも黙っていました。だれもお話しする相手がいなかったからです。まわりに生えてい...
夕焼け物語

初級翻訳・夕焼け物語 第2話

その声を聞いて、みんなが何事かと駆けつけてきて、びっくりして言いました。「まあ、どうしたことでしょう。あなた、まるで生まれ変わったように髪がふさふさと増えて、しかも黒く、とても美しくなったわね」そう言って大騒ぎをしました。少女はこれを聞いて...
夕焼け物語

初級翻訳・夕焼け物語 第1話

一 三人の女の子がいました。どの子も、あまりお金持ちではない家の娘さんでした。ある春の終わりの日のことです。村ではお祭りが開かれていて、とてもにぎやかでした。三人は一緒に連れ立って、お宮へお参りに行きました。楽しく遊んでいるうちに日が暮れか...
夏とおじいさん

初級翻訳・夏とおじいさん 第1話

ある街に、とても気むずかしいおじいさんが住んでいました。おじいさんは、たった一人で暮らしていましたが、欲張りだったので、お金をためることばかり考えていて、さびしいと感じることなんて一度もありませんでした。「おじいさん、一人でさびしくありませ...
善いことをした喜び

初級翻訳・善いことをした喜び 第1話

さよ子は、叔母さんからもらったお小遣いを大切に、赤い毛糸で編んだお財布の中に入れてしまっておきました。秋のお祭りがきたら、それでなにか好きなものを買おうと考えていたのです。もともと、たくさんのお金ではありませんでした。それでも、さよ子はその...
友だちどうし

初級翻訳・友だちどうし 第1話

乳色の冬の空から、まぶしいほどに日の光が大地へ降り注いでいました。風のない静かな日で、雪の降らないこの国では、もうすぐ春がやってくるのかしらと感じられるほどでした。年ちゃんは、紅茶の空き缶の中にガラスのおはじきを入れていました。正ちゃんは、...
北風にたこは上がる

初級翻訳・北風にたこは上がる 第2話

お母さんはきよの様子を見ると、すぐに「何かまた、心配になることを言ってきたの?」と、やさしく問いかけました。「はい、お父さんが病気だそうです……」「お父さんが病気?」と、お母さんはびっくりして、その手紙を受け取って読みました。そこには、一週...
北風にたこは上がる

初級翻訳・北風にたこは上がる 第1話

隣に住む秀夫くんのお父さんは、仕事がお休みの日に外へ出て、子どもたちと一緒にたこを上げて、とても楽しそうにしていました。「おじさんのたこ、一番高く上がるかな?」北風に吹かれながら、どこまでも青く晴れわたった空を見上げて、賢二は言いました。「...
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