小川 未明

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娘と大きな鐘

初級翻訳・娘と大きな鐘 第1話

ある名も知れない北国の村に、すっかり荒れ果てた古いお寺がありました。そのお寺があるのは、村を見下ろす小高い、ひっそりとさびしい場所でした。本堂から少し離れたところには、大きな鐘つき堂が建っていました。お寺の境内には木々がうっそうと茂っていま...
太陽とかわず

初級翻訳・太陽とかわず 第2話

「だって、この私の頭の中にしっかり刻み込まれてしまった広い世界のようすを、どうやって忘れろと言うんですか?」カエルはすっかり困ってしまいました。「おい、その話をだれかに話したのか?」と、カエルはたずねました。「いいえ、まだだれにも会っていま...
太陽とかわず

初級翻訳・太陽とかわず 第1話

池の水の中には、水草が生えていました。でも、長い冬の間ずっと水が凍っていたせいで、草はすっかり枯れそうになって、ぐったりと弱っていました。水草にとって、その冬はなんと長くてつらい時間だったことでしょう。そんなある日、やっと待ちにまった春がや...
天女とお化け

初級翻訳・天女とお化け 第2話

バカなのはあいつのほうさ、ハゲ頭のくせに大酒飲みで、すぐ暴れるんだから。よく町内会の集まりのあとで、ベロベロに酔っぱらってるって話だよ」と言って、Kは笑いました。秀吉が帰るとき、Kは玄関まで見送ってくれながら、薬室の前を通りかかったところで...
天女とお化け

初級翻訳・天女とお化け 第1話

いまよりもずっと世の中が暗かった時代の、お話です。当時は、教師が自分が選ばれた仕事だという自覚もなく、仕事に対する責任感も持たず、上の立場の人たちが、下の立場の人たちに対して好き嫌いの感情をむき出しにしても平気でいられた、そんな時代でした。...
大根とダイヤモンドの話

初級翻訳・大根とダイヤモンドの話 第2話

」と、地主は歩きながら植木屋にたずねました。「だんなさま、このとおり雲ひとつない上天気でございます。このぶんですと天気がつづくだろうと思います。」と、人なつっこい植木屋は答えました。そのあくる日は、いよいよその山の中にはいるのです。力の強い...
大根とダイヤモンドの話

初級翻訳・大根とダイヤモンドの話 第1話

秋にとれた野菜はどれも大成功でしたが、その中でも大根は、ことのほか立派に育ちました。農夫は、自分ががんばって汗を流したかいがあったと、いまさらながらにしみじみと喜びました。そして、この立派な大根ができるまでの、過ぎ去った日々の苦労を思い出さ...
中学へ上がった日

初級翻訳・中学へ上がった日 第1話

毎日いっしょに勉強したり、遊んだりしたお友達とお別れする日がやってきました。今日は、いよいよ卒業式です。式のあと、男の子たちは笑ってお菓子を食べたりお茶を飲んだりしていましたが、女の子たちはさすがに悲しみが胸いっぱいにつかえているようで、だ...
大きなかに

初級翻訳・大きなかに 第3話

すると、波は高く打ち寄せ、海の向こうは雲の切れ間から青い空が見える一方で、黒い雲が渦を巻いていて、今にも嵐になりそうな、ものすごい景色でした。「また降ってきたぞ。早く帰ろう」とお父さんは言いました。二人は急いで海辺の町を離れ、自分たちの村を...
大きなかに

初級翻訳・大きなかに 第2話

「もしかして、キツネかお化けがやってきて、戸を叩いているのかも……」そう思うと怖くなって、ドキドキしながら黙っていました。すると、この音に気づいたのは自分だけではなかったようで、お父さんかお母さんが起きてきた気配がしました。ランプの薄暗い光...
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