山本 周五郎

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孫七とずんど

初級翻訳・孫七とずんど 第4話

ちょうどそのとき、武田信玄が相模(さがみ)の北条氏(ほうじょうし)と戦争を始めたものだから、「いまだ!」とばかりに大急ぎで作戦を立てて、天方城を攻め取るための大軍を出発させたんだ。出陣の命令を受けた石原寸度右衛門(いしはらずんどえもん)は、...
孫七とずんど

初級翻訳・孫七とずんど 第3話

「文句はないだろ! とろけるような目つきをしやがって、こっちが恥ずかしくなっちまったぞ。だが、もちろん気に入ったなら結構だ、俺としても嬉しい限りだな。もらうんだろうな?」「くれるのか?」孫七郎はそう言って、ぽっと顔を赤らめた。「だからこそ呼...
孫七とずんど

初級翻訳・孫七とずんど 第2話

お前、考えてみたか? どうなんだよ」「……うーん」孫七郎は、名残惜しそうに二本の矢の方へとチラチラ視線を送りながら、こくこくと頷きました。「考えてみたさ。だがな石原寸度右衛門、あれはなかなか大きな問題だぞ」「なにが大きな問題だ! たかがお嫁...
孫七とずんど

初級翻訳・孫七とずんど 第1話

一 それは、猛烈な風と大雨が吹き荒れる夜だった。 遠江の国、浜松城の丸の内(曲輪うち)にずらりと並ぶ武士たちの屋敷は、すさまじい暴風雨に激しく揺さぶられ、今にもめちゃくちゃに押しつぶされてしまいそうだった。 なかでも榊原小平太康政(さかきば...
危し‼ 潜水艦の秘密

初級翻訳・危し‼ 潜水艦の秘密 第4話

それからメリケン壮太は不良青年をやめて、忠実な龍介君の助手として働くことになりました。そして、いつでも友達にこう言っています。「へん、おいらの親分は龍介さんで、そしておいらはメリケンの壮太よ。矢でも鉄砲でも持ってこい!」
危し‼ 潜水艦の秘密

初級翻訳・危し‼ 潜水艦の秘密 第3話

ひとりで線香花火のように活躍している龍介君を取り巻いて、山川少将はじめ博士、大佐たちは、ぽかんと手をこまねいているほかありませんでした。――龍介君は大声で怒鳴りました。「さあ皆さん、のるかそるかの瀬戸際ですよ。しっかりしてください、閣下! ...
危し‼ 潜水艦の秘密

初級翻訳・危し‼ 潜水艦の秘密 第2話

実験室が真っ暗闇になったとたん、「あれっ! お兄さん!」という文子の叫び声が、闇の中にけたたましく響きました。メリケン壮太文子の叫び声を聞いた龍介君は、声のした方へ懐中電灯を向けると、実験室の壁の一部が外側に開き、黒装束の男が文子を横抱きに...
危し‼ 潜水艦の秘密

初級翻訳・危し‼ 潜水艦の秘密 第1話

拾った暗号紙「なんだろう、これ?」府立第×中学の校庭には、七月の真昼の陽が照りつけていました。目がくらむような日差しの中、サッカーの猛練習に熱中していた二年級の生徒四、五人が、トラックの隅っこで一枚の紙切れを取り囲み、何やら盛り上がって議論...
亡霊ホテル

初級翻訳・亡霊ホテル 第5話

そして、何気なく外の新鮮な空気を吸おうと窓を開けたところ、すぐ向こうに第×連隊の兵舎があるのを見つけたんだ……。そう、一種のひらめきというか、本能的な直感だな、『これは絶対にスパイ事件に違いない!』と確信したのさ……そう気づいてみると、毎朝...
亡霊ホテル

初級翻訳・亡霊ホテル 第4話

――翌朝の十時、ロビーでお茶の時間になった時、博士と伊藤豊治の二人は、すっきりと身なりを整えて、片隅のテーブルで熱いコーヒーをすすっていました。その日はなぜかやたらとお客が多く、朝食だけを食べに来たらしい紳士や、誰かと待ち合わせをしているら...
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