山本 周五郎

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ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第3話

他人に見られては困る手紙や書類、やり残した仕事、整理しておかなけらばならない私物もあるだろう。今夜のうちにそれらをきれいに片付けてから、また来なさい」 図書は本気でした。それでは、どちらか一方が死ぬ覚悟というのは、ただの脅しではなかったので...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第2話

久之助は退出するとき、「蜜柑のことは覚えて置く」という言葉を貰った。長岡へ移ってからの久之助は、藩士で後に忠辰の侍読となった小出経之(こいでつゆゆき)についてひじょうによく学んだ。それから原田義平太(はらだよへいた)という老人を師に三留流(...
ゆだん大敵

初級翻訳・ゆだん大敵 第1話

一 老田久之助(おいたひさのすけ)が、殿様の特別な側近であることは、長岡藩(ながおかはん)で知らない者はいなかった。 本当の苗字は郷田(ごうだ)なのだが、「老田」と呼ばれていることにもその特別扱いの理由があらわれている。つまり、藩主である牧...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第10話

「紙屑買いのおっさんも、じいさんもばあさんも、あの浮気の幽霊も、ついでにみんな成仏してくれ! 煩悩を消し去って悟りを開いてくれよ、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)!」「ゆうれい貸屋」という、これまでの歴史でも聞いたことがなくて、しかもものすご...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第9話

元・紙くず拾いの幽霊が言った言葉が、なんだか弥六の頭にひっかかっていたのです。「死んじまえばおしまいだ。何事も生きているうちが勝負、そうかもしれないなあ」「何をそんなに感心してるのよぉ、この人は」 突然そう言って、あの浮気な娘の幽霊が現れま...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第8話

あまりに早口でよく聞き取れなかったんですが、わかるところだけでも、こっちの顔が赤くなるような……男としてのプライドをボロボロにするような悪口ばかりで。もう恥ずかしいやら情けないやらで、だんだん怖くなってきちゃいまして」「幽霊のほうが怖がって...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第7話

相手のところへ行って『うらめしや〜』ってやるのに、おかめやひょっとこみたいな面白い顔じゃ、相手は怖がるどころか吹き出しちゃうわ」 なるほど、実に細かいところまで気が利いています。また、募集した時に困ったのは、あの有名な『四谷怪談』のお岩さん...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第6話

この二年間、お米やお味噌、お小遣いに困りながらもなんとか生きてこれたのは、一体だれのおかげだと思ってるんだ!」「それはまあ、そう言われると困るけど、俺だって大家さんの恩は感じて……」「笑わせるな! おまえの目は節穴(ふしあな)か。ここに荷物...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第5話

それでね、偉いお坊さんのお経じゃダメだけれど、あなたみたいな家族同然の人にお祈りされると、天国へ行けちゃうのよ」「そいつは危ないな!」 彼は少し、びっくりしました。「それはうっかりできないぞ。今ここで天国へ行かれちゃったら、大変なことだ」「...
ゆうれい貸屋

初級翻訳・ゆうれい貸屋 第4話

ねえ、お布団を敷いてちょうだい」 そして、夜が明けました。 夜は明けましたが、弥六が目を覚ましたのは、もうお昼過ぎのことでした。 これは、とても珍しいことです。 なまけ者のくせに、彼はいつもは早起きでした。「朝早く起きれば、その分、一日中た...
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