岡本 綺堂

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岡本 綺堂

初級翻訳・梟娘の話 第2話

たとえ両目をふさがれていても、この異様な様子を娘が知らないはずがありませんでした。彼女は途中で何度も立ち止まり、自分の家へ帰してほしいと訴えましたが、付き添っている人たちがいろいろとなだめすかし、何とか城の前までたどり着くと、娘はまたもや足...
岡本 綺堂

初級翻訳・梟娘の話 第1話

天保四年、それは癸巳(みずのとみ)の年の、夏四月の出来事だった。水戸城にいる水戸の殿様から、領内に住むすべての人々に向けて、次のようなお触れが出された。それは、領内の貧しい人や、身寄りのないお年寄りや子供たちの中で、もしも重い病気や治りにく...
山椒魚

初級翻訳・山椒魚 第4話

一度は計画を中止しようと思ったけれど、兼子さんがすでにその毒の入ったお椀に箸をつけてしまっているのを見て、『もう今さら引き返せない』と覚悟を決め、自分もいっしょに死ぬつもりで近子さんのお椀を自分のものと取り替えたのか……」あるいは、最初から...
山椒魚

初級翻訳・山椒魚 第3話

服部近子というあの女、彼女が第一の容疑者です。それに、遠山という学生は、亡くなった女学生の亀井兼子とすごく親しげだったんですよ。なんでも、道の真ん中ですれ違ったときに、お互いに花を投げ合ってはしゃいでいたそうですからね」「もう一人の学生はど...
山椒魚

初級翻訳・山椒魚 第2話

昨夜悪ふざけをした学生たちも、この旅籠屋から立ち去ることは許されませんでした。その中で僕だけは全く関係がないので、いつでも自由に出発できたのですが、この事件の結末がどうなるのか気になって仕方がなく、もう一日ここに滞在することにして、ある種の...
山椒魚

初級翻訳・山椒魚 第1話

K君は語り始めた。早いもので、あの時からもう二十年が経つ。僕がまだ学生だった頃、夏休みに木曽の方へ旅行したことがある。八月の初めで、第一日は諏訪に泊まり、あくる日は塩尻から歩き出した。中央線はまだ開通していない時分だから、つめ襟の夏服に脚絆...
岡本 綺堂

初級翻訳・怪獣 第3話

預けられた先でも呆れてしまって、どこも断って返してくるのです。かといって、他に変わった様子もないのでキチガイ扱いにして病院へ入れるわけにもいかず、座敷牢へ押し込めておくわけにもいかず、困りながらもそのままにしておくと、いつの間にか宿泊客と関...
岡本 綺堂

初級翻訳・怪獣 第2話

博士は座敷の天井を見上げて少し考えているようでしたが、下座敷のほうで若い女が何か大きな声で笑い出したのを合図のように、居ずまいを正して語り出しました。二私がMの町へ入り込んで、S旅館――仮に曽田屋(そだや)としておきましょう――の客となった...
岡本 綺堂

初級翻訳・怪獣 第1話

一「やあ、あなたも……。」と、藤木博士。「やあ、あなたも……。」と、私。脚本風に書くなら、時は明治の終わりの秋の夜のこと。場所は広島駅のすぐ近くにある旅館です。登場人物は、理学博士の藤木さん、四十七、八歳。そして私、三十三歳の新聞記者。私は...
岡本 綺堂

初級翻訳・平家蟹 第5話

与五郎と玉琴は毒酒に当たったかのように、急激に苦しみ出す)唄:口からは炎の息を吹き、手には鉄の矛を振るい、恨み重なる敵どもを、一人残らず地獄へ堕とせと、熱湯の池や剣の山へと追い立て、急ぎゆく。凄まじいことだ。(玉虫は舞いながら、檜扇を振り上...
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