新美 南吉

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初級翻訳・登つていつた少年 第1話

一年に一度の学芸会が、だんだんと近づいてきていました。小さな村にある、二百人に満たない子どもたちの小さな心は、二ヶ月も前から、まるで小鳥が春を待ちわびるように、その日を楽しみにしていました。この時期になると、少年少女たちの目は急に真剣になり...
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初級翻訳・病む子の祭 第4話

(お囃子の音が止まる)長女  あら、もう塩屋さんのおうちの前まで来たわ。あそこの椎(しい)の木の下で休むのよ。三男  …………長女  (心細そうになって)お母さん、もう帰ってこないかしら。よし坊ちゃん、眠くない? すこし風が出てきたね。障子...
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初級翻訳・病む子の祭 第3話

おねえちゃんみたいだったときもあるし、もっと小さな赤ん坊だったこともあるのさ。三男  いつのこと?母   ずっとむかしのことさ。三男  ふうん。おかしいなあ。かあさんは、はじめからおとなじゃなかったの?母   そんなことありませんよ。どこの...
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初級翻訳・病む子の祭 第2話

花火やなんかつまらないものや、氷のものは、買っちゃいけませんよ」次男  「かあさん、ぼく、靴にあながあいてるから、よし坊のをはいてっていい?」母   「もうあんたは、あなをあけちゃったの、まだ、こないだ買ったばかりじゃないの」次男  「だっ...
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初級翻訳・病む子の祭 第1話

母長男長女次男三男(病気の子)おか的のふもと、竹やぶにかこまれた小さなお家。お母さんが、子どもたちにお祭り用の特別なおめかしの着物をきせてあげています。遠くから聞こえてくる、ドンッドンッという花火の音。そして、笛や太鼓ののんびりとした、かす...
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初級翻訳・王さまと靴屋 第1話

ある日、王さまはまるでこじきのような格好をして、ひとりで町へ出かけました。町には小さな靴屋が一軒あって、おじいさんがせっせと靴を作っていました。王さまは靴屋のお店に入っていくと、「おいおい、じいさん、お前の名前はなんと申すか」と尋ねました。...
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初級翻訳・狐のつかい 第1話

深い山のなかに、猿や鹿や狼や狐たちが、みんななかよく一緒に暮らしていました。みんなは、たったひとつの行灯(あんどん)を分け合って持っていました。それは、紙を貼った四角くて小さな行灯でした。夜がやってくると、みんなはこの行灯に火をともして過ご...
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初級翻訳・海から帰る日 第1話

1 この五年という月日、どんな道を歩んできたのか。今となっては、自分でもよくわからない。 ただ一つはっきりしているのは、今の自分の心だ。 五年という長い時間の最後にたどり着いた、この心。 それは誰のものでもない。自分自身の心なんだ。2 雲は...
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初級翻訳・正坊とクロ 第2話

正坊もすっかりびっくりしてしまいました。やがてテントの外の原っぱにおろされると、正坊はクロの頭や背中を優しくなでまわして、なだめすかしました。そしてようやく舞台へ連れて帰ると、まず見物席に向かってお詫びを言い、賊の格好をした団長にも謝りまし...
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初級翻訳・正坊とクロ 第1話

一 全国を旅して回るサーカス団がありました。 十人ほどの軽業師と、年老いた黒クマが一頭、そして馬が二頭だけの小さな団です。 馬たちは舞台で芸をするだけでなく、次の町へ移動するときには、赤いラシャの毛布などをまとって、荷車を引く仕事もしていま...
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