柳田 国男

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柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第13話

今の当主の名前は「安倍与右衛門(あべよえもん)」といい、村の中でも二、三番目に入るくらいのお金持ちで、村の会議の議員をつとめています。安倍貞任の子孫だというお家は、この土淵村のほかにもたくさんあります。盛岡の「安倍館(あべだて)」の近くにも...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第12話

その庭を裏の方へとまわってみると、立派な牛小屋があって沢山の牛がおり、馬小屋にもたくさんの馬が入っていました。でも、不思議なことに、まわりには人間の姿がまったく見当たりません。ついに玄関から中へ上がってみると、そのすぐ隣の部屋には、朱色と黒...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第11話

五六 上郷村(かみごうむら)のあるおうちでも、川童らしき生き物の子どもを産んだことがありました。確かな証拠があるわけではありませんが、体中が真っ赤で、口が大きく、本当になんとも気味の悪い子どもでした。あまりに縁起が悪いので捨てようということ...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第10話

男は夜通しであちこちを探し回りましたが、ついに見つけることができず、そのままこの鳥になってしまったのだそうです。鳥が「アーホー、アーホー」と鳴くのは、この地方の言葉で、野原にいる馬を追い立てるときの「おおい、あっちへ行け(あーほー)」という...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第9話

オオカミはその場でバッタリと息絶えて死にましたが、鉄も仲間たちに担がれて家に帰ったあと、まもなく亡くなってしまいました。○ワッポロとは、当時の上着(羽織)のことです。四三 一昨年の『遠野新聞』にも、この記事が載っていました。上郷村(かみごう...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第8話

ある夜、その男が自分の小屋の垂れすだれをペロッとめくって、外をのぞきこむと、誰かが中をのぞきこんでいるのを見ました。それは、髪の毛を長く二つに分けて、たらした女の人でした。このあたりでは、真夜中に女性の叫び声が聞こえてくることも、決して珍し...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第7話

時は、遠野に南部家が入ってきたあとのことです。それまでは、地元の人は誰も一人としてこの山に入ったことがなかったそうです。その猟師が、半分ほど道を開いて、山のなかほど(半腹)に仮小屋を作って暮らしていたころのことです。ある日、囲炉裏の火の上に...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第6話

さて、死んだヘビをどうやって捨てたらいいか困り、お屋敷の外に大きな穴を掘って埋め、「ヘビ塚」を作りました。そのヘビの量は、運ぶカゴで何杯分もあったということです。二一 さきほどの孫左衛門は、村には珍しい大変な物知り(学者)で、いつも京都から...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第5話

枕が勝手にひっくり返されるなんてしょっちゅうのことです。あるいは、何者かに抱き起こされたり、部屋の外へドンと突き出されたりすることもあります。とにかく、静かにぐっすり眠ることはできない場所なのです。○オシラサマは二人一組の神様です。アイヌの...
柳田 国男

初級翻訳・遠野物語 第4話

「いったい本当に我々と同じ人間なのだろうか」と、さらに重ねて尋ねると、服などは世の中の普通のものと変わらないが、ただ目の色が少し違っているのだそうだ。一回の市と次の市の間に一回か二回、同じような人間が四、五人集まってきて、何か話を交わし、や...
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