海野 十三

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怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第10話

これは潜水艦の潜望鏡みたいなもので、光の入り口は怪塔の近くにあるケヤキの木の高い梢の上にありました。それから下は筒になっていて、ケヤキの木の幹の中を通り地中に入ります。すると、そこから横に曲がり怪塔の方へ伸びていますが、その曲がり角に反射鏡...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第9話

なぜこの土がどじょうなの」帆村おじさんはくすくす笑いだしました。「土壌って、魚のどじょうのことではない。いま言った土のことを土壌というのだよ。つまり大地を掘れば、その下にあるのは土壌ってわけさ」「なんだ、ただの土のことか。僕は魚のどじょうの...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第8話

この大事件とともに、艦長の安西大佐から命ぜられたものでした。もちろんこのほかに東京から派遣された捜索隊や、県の警察署もそれぞれに活動していましたが、塩田大尉は、自分の乗組んでいた軍艦に起きた事件ですから、なんとかして自分の手で調べ上げたいと...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第7話

「おじさん、ここはやっぱり一階だよ」と一彦少年が叫びました。そうです、たしかに見覚えのある倉庫のような一階に違いありません。帆村探偵は無言で、じっとあたりを見廻していました。「帆村おじさん、この鉄の檻から出る工夫はないの」「うむ、鉄の檻では...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第6話

「なんだな、貴様たちは一度この塔に入れば、もう二度と外へは出られないということを知らないのだな。わっはっはっ!」一彦はこれを聞くと、もう我慢できなくなって帆村の腰にしがみつきました。帆村は危険だと判断し、ピストルを構え直すと、寝床の上に伸ば...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第5話

もし近くで目を凝らした人がいたなら、鍵の持ち手の部分に猿の彫り物がついていることに気づいたでしょう。……ここまで言えば、この箱から生えている手の持ち主が誰なのか、もうおわかりですね。そうです。この大きな箱の中には帆村荘六(ほむらそうろく)探...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第4話

鍵の形がはっきりわかっていると、それと同じ鍵をもう一つ作ることができるねえ」「なんだって、鍵の形がわかっているのかね?」 そこで一彦は、昨日それを持って遊んでいたときに、湿った砂に押しつけて、鍵の型をいくつも作ったことを話しました。そして、...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第3話

「おじさん、それが変な顔なんです。まるで『塩ふき』のお面のような顔でした」 するとミチ子も、それに合わせて言いました。「ああ、あのおかしなおじいさんのことね。そういえばそうだったわ。昨日ここを通りかかったとき、兄さんと一緒に見て笑ったでしょ...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第2話

2 一彦とミチ子は昨夜の怪事件を知ると、驚きのあまり朝ごはんも食べずに浜辺へ駆け出しました。「あっ、あれが軍艦淡路だ! すごいなあ」「あら、あんなに傾いているわ。兄さん、あの軍艦は沈んでしまわないのかしら?」「さあ、どうだろう。誰かに聞いて...
怪塔王

初級翻訳・怪塔王 第1話

怪老人1 「怪塔王(かいとうおう)」という、不思議な顔をした人物がいつごろからそこにいたのか、それは誰にもわかりません。 一彦とミチ子の兄妹が、その怪塔王を初めて見たのは、ついこの夏の初めのことでした。 場所は、千葉県の九十九里浜(くじゅう...
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