お日さまの光は、太陽からあたしたちのところまで、はかることもできないほどの遠い距離を、あっという間に飛んでくるんですもの。それにその光はとっても強いから、その光で自然のすべてのものが目を覚ますんですもの。それから、美しさも持っているわ。だからこそ、あたしたちバラの花はきれいな赤い色に染まって、よい匂いを出すようになるんだわ。それなのに、偉い審判官たちはそれにはちっとも気がついていない。もしもあたしがお日さまの光だったら、ひとりひとりにうんと光をあてて、日射病にしてやるのに。でも、それだけならただ気が狂うだけね。そんなことをしなくたって、どうせみんな狂ってしまうでしょうもの。だから、あたしはなにも言わないでいましょう」
野バラはなおも考えました。
「森の中の平和! 美しい花にあふれ、すがすがしい香りに満ちた美しさ! 伝説に生き、歌に生きるよろこび! でも、お日さまの光は、あたしたちの誰よりも長く長く生き残るのだわ!」
「一等賞は、なんだね?」と、ミミズがたずねました。いままで眠りこんでいたのですが、やっといま這い出してきたのです。
「キャベツ畑に自由に、出入りできることだよ」と、ラバが言いました。
「この賞は、ぼくが言い出したものなんだ。ウサギくんはそれをもらわなければならないし、もらうべきだよ。なにしろぼくは、よく考え、よく仕事をする審判官として、賞をもらう者のために一生懸命考えたんだからね。だからウサギくんのことは、もう大丈夫。カタツムリくんのほうは、石垣の上に座って、コケやお日さまの光をなめてもよいということになったんだ。それに近いうちには、かけっこの審判官のひとりにも選ばれることになっている。かけっこの速いカタツムリくんのような人が、審判官の仲間に加わるということは、まったくいいことさ」「ぼくは、はっきりと言っておくが、これから先が、とてつもなく楽しみだよ。
なにしろ、はじまりからして、こんなに素晴らしいんだからねえ」
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