どうにでもなれ!」と、途中で、あろうことか、女のくせに、その足で酒屋へと入っていったのでした。底が抜けたかのように傾き、千鳥足でふらふらと歩きながら、やっとの思いで家の敷居をまたぎ、夫は怒鳴りました。
「おい、この宿六(やどろく)め、飯を出せ、飯を。腹が減ってたまらねえ。おい、こんなに暗くなったのに、まだランプもつけやがらねえのか。おい、返事をしろ!」
驚いたのは、その夫のほうでした。大変なことになってしまったのです。まるで天地がひっくり返ったような出来事でした。そんな日々が、それからというもの、何日も何日も続きました。あまりの驚きに、夫は自分の酒への欲求などどこかへ忘れてしまい、真面目に働き始めました。すると、今度は奥さんのほうも考えを改めました。自分の行いが恥ずかしくなってきたのです。ある日、夫婦で仲睦まじくお茶を飲んでいると、そこへ雉の子がやってきて、木の葉を一枚くわえて置いていきました。それは裏山の神様からの贈り物でした。そこには何か書いてあります。見てみると、こうありました。
「さあ、これでお前たちの願いは叶った」
ささげの秘曲
朝露が一面におりていました。ささげ畑では、ささげが細く繊細な、あるかないかというほどの銀の糸のような、いや、難しく言うなら、永遠を刹那に生きてでも聴きたいような音が出る楽器にその声を合わせ、しきりに小唄を歌っていました。今朝も貧しい病気の詩人が、うっとりとそれに耳を傾けていました。他の誰かの足音がするとぴたりと止むので、誰もその歌を聴いた者はいません。その歌――
どこに落ちても俺等は生える
花も咲かせる
実も結ぶ
そしてまあ
何てきれいな世界だろ
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