初級翻訳・オツベルと象 第3話

オツベルと象

そのうち、象の片足が塀からこちら側にはみ出しました。
それからもう一本、足がはみ出します。
五匹の象が一斉に塀からドッと落ちてきました。
オツベルはピストルのケースを握りしめたまま、もうクシャクシャに潰れてしまいました。
早くも門が開いて、「グララアガア、グララアガア」と象たちがドシドシなだれ込みます。
「牢はどこだ!」
みんなは小屋へ押し寄せました。
丸太なんかはマッチ棒のようにへし折られ、あの白象はひどく痩せ細った体で小屋から出てきました。
「まあ、よかったねえ、痩せちゃって……」
みんなは静かにそばに寄り添い、鎖と分銅を外してやりました。
「ああ、ありがとう。本当にぼくは助かったよ」
白象は寂しそうに笑って、そう言いました。
おや、川へ入っちゃいけないったら。

コメント

タイトルとURLをコピーしました