オマツリ
村山籌子
ぽかぽかと温かい、秋の日でした。
池のカメさんたちも、うつらうつらとひなたぼっこをしています。
カメコおばさんは、マルコおばさんの家へ、のそりのそりと這って行きました。
ちょっと相談したいことがあったのです。
相談というのは、ほかでもありません。もう一週間すると、お祭りがあるのです。
そのお祭りに、自分たちが着る着物と、子どもたちに着せる着物のことでした。
二人は何を着たらいいか、いろいろと相談しているうちに、だんだんと眠くなってきました。
目をパチパチさせて、なんとか眠らないようにと、一生懸命がんばりました。
マルコおばさんは、せっかくカメコおばさんが来てくれたのだから、お客さまの前で眠ってしまったら大変失礼だと思いました。
ですが、いくら我慢しても、眠たくなるばかりです。
二人はお互いに、「相手が先に眠ってくれればいいのに」と思っていました。
二人は半分居眠りをしながら、それでも話を続けています。
マルコおばさんが言いました。
「ええ、ええ。それはきっと良いことだと存じます。」
カメコおばさんは、大きなあくびを噛み殺しながら言いました。
「でもねえ、わたくし、少し派手すぎやしないかと思うのですけれど。」
マルコおばさんが言いました。
「いいえ、いいえ。派手だなんて、そんなことあるものですか。」
カメコおばさんが言いました。
「いいえ、派手ですわ。やっぱり派手ですわ。」
マルコおばさんが、
「そんなこと――ある――ものですか。」
カメコおばさんが、
「いいえ――やっぱり――派手――ですわ。」
マルコおばさんが、
「まあ――そんな――こと――」
カメコおばさんが、
「だって――いいえ――やっぱり――」
そして二人とも、声がだんだん小さくなり、口が回らなくなり、やがてぐっすりと眠り込んでしまいました。
そして、そのまま夕方まで眠ってしまいました。
夕方になって目が覚めましたが、どちらが先に眠ったのか、二人とも分かりませんでした。
それで二人は一緒に笑って言いました。
「まあ、ぽかぽかと温かい日でございましたわねえ。」
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