初級翻訳・ワンダ・ブック――少年・少女のために―― 第14話

ホーソーン ナサニエル

一番隅っこの方まで、その人がにっこりと笑うだけで、まるで炎や火花に照らされたかのようにパッと明るくなるのでした。

マイダスは宝物庫の錠前をしっかり閉めていたこと、そして人間の力では絶対にここへ侵入できないことを知っていましたから、この人物はただの人間ではないとすぐに判断しました。その人が誰だったのか、わざわざここで説明する必要はないでしょう。まだ地球が若かったその頃には、人間たちの喜びや悲しみに、半分は冗談で、半分は真面目に興味を持つような、不思議な力を持った神様のような存在がよく現れたものです。マイダスも過去にそんな存在と出会ったことがあったので、またやって来られたからといって、困惑することはありませんでした。

実際、その見知らぬ人の様子は、慈悲深いとまでは言えないまでも、とても愛想がよく優しそうだったので、悪いことをしに来たのではないと直感しました。それどころか、マイダスに好意を持って訪ねてきてくれたような気がしたのです。もしそうなら、彼の宝の山をもっと大きくしてやろうという目的以外に、好意の示しようがあるでしょうか?

見知らぬ人は部屋をぐるりと見渡しました。そして、光り輝くような微笑みを浮かべて部屋中の金製品をキラキラと照らしてから、再びマイダスの方に向き直りました。

「マイダスさん、あなたは本当に大金持ちですね!」と彼は言いました。「こうしてあなたが一生懸命積み上げたほどの金が詰まった部屋なんて、世界中どこを探しても他にはないでしょう。」

「わしもかなり集めましたよ。かなりね」と、マイダスはまだ満足できないという調子で答えました。「しかし、これだけ集めるのに一生かかったことを思うと、あまりに少なすぎます。人間も千年くらい生きられるなら、金持ちになる暇もありましょうがね!」

「なんですって!」と見知らぬ人は叫びました。「それじゃあ、あなたにはまだ満足できないのですか?」

マイダスは首を振りました。「では一体、どうなったら満足するのです?」と見知らぬ人は尋ねました。「あまりに変わったことなので、ちょっとお聞きするだけですが、ぜひ教えていただきたいものですなあ。」

マイダスは少し考え込みました。彼は、優しい微笑みに金色の光を含んだこの見知らぬ人が、自分の最大の願いを叶える力を持っていて、それを叶えるためにやって来たのではないかという虫の知らせを感じました。だからこそ今が、頭に浮かぶどんな願いでも――たとえそれが実現不可能に思えるようなことでも――口に出してさえすれば叶えてもらえる、またとないチャンスだったのです。そこで彼は考えに、考えに、考え抜いて、黄金の山の上に、また黄金の山を――と頭の中でいくつも積み重ねてみましたが、なかなかこれでいいという大きさにはなりません。
とうとう、すばらしい考えがマイダスの胸に浮かびました。
それは本当に、彼の大好きな金にも負けないくらい、すばらしいもののような気がしたのです。
彼は頭を上げて、この光り輝く見知らぬ人をまともに見つめました。
「どうしました、マイダスさん」とその人は言いました。「何か気に入った考えが浮かんだようですね。あなたの望みを言ってみなさい」
「ただこういうことなんですが」とマイダスは答えました。「こんなに骨を折って宝を集めて、力一杯やった結果が、こんなちっぽけなものかと思うと、わしはうんざりしてしまうのです。わしは、さわった物が何でも金になってくれたら、どんなにいいかと思いますな!」
その見知らぬ人の微笑みが、ぱっと明るくなりました。それはまるで、こんもりとした谷間に太陽の光が差し込んだように、部屋中を照らしたかのようでした。
そして金塊や金粉は、明るい光の中に散り敷いた、黄色い秋の木の葉のように見えたのでした。
「さわれば何でも金になる力ですって!」とその人は声を上げました。「そんなすばらしいことを考えつくなんて、マイダスさん、あなたもたしかに相当なものですね。しかし、それで間違いなくあなたは満足するでしょうか?」
「それで満足しないなんてことがあってたまるもんですか!」
「そんな力が手に入って、あとで困ったなんてことは、絶対にないでしょうか?」
「一体、どうして困るなんてことになるでしょう?」とマイダスは問い返しました。「わしは、このことさえ聞き入れてもらえれば、完全に幸福になれるんです」
「では、あなたの望み通りになるように」と、その見知らぬ人は答え、別れのしるしに手を振りました。「明日、日の出とともに、あなたは何でも金にする力を授かっているでしょう」
と言ったと思うと、その見知らぬ人の姿がとても眩しく光り出したので、マイダスは思わず目を閉じました。
今度目を開けてみると、部屋の中にはただ一筋の日の光と、それから彼の周り中に、彼が一生かかってため込んだ金がきらきらと輝いているのが見えるばかりでした。
マイダスがその晩、ふだん通りに眠れたかどうかは、この話には出ていません。
しかし、眠ったにしても起きていたにしても、彼の心はおそらく、明日になったら新しいすてきなおもちゃをもらえると約束された子供みたいに、わくわくしていたことでしょう。
とにかく、お日様が山から顔を出すか出さないうちに、マイダス王はすっかり目を覚まして、寝床の中から腕を伸ばし、手の届くところにある物にさわり始めました。
彼は果たしてあの見知らぬ人の約束通り、何でも金にしてしまう力が身についたかどうか、試してみたくてならなかったのです。
だから彼は寝台のそばの椅子や、そのほかいろいろなものに指を触れてみましたが、それらはまるでもとのままで、少しも変わった様子がないので、ひどくがっかりしました。
実際彼は、あの光り輝く見知らぬ人の夢を見ていただけなのか、それともあの人が自分をからかったのではないだろうかと、たいへん心配になってきました。
あんなに楽しみにしていたのに、何でもちょっとさわって金にしてしまうというのではなくて、相変わらず普通の方法で、わずかな金をかき集めて行くことに満足しなければならないとしたら、どんなにつまらないことでしょう!
その時はまだ明け方のうす暗がりで、東の空の下の方がほんの一筋明るくなっていただけでしたが、マイダスの寝ているところからは、それは見えませんでした。
彼は大変がっかりした気持ちになって、期待がはずれてしまったのをいまいましく思い、だんだん悲しくなるばかりでしたが、そのうちにとうとう朝の最初の日影が窓から差し込んできて、彼の頭の上の天井を金色に染めました。
マイダスには、この黄色い日影が、寝床の白いシーツに何だか変な風に映っているような気がしました。
それをもっとよく見て、リンネルの布地が、まるで混じりけのないきらきらした金の織物のように変わっていたことを知った時の彼の驚きと喜びは、どんなだったでしょう! さわれば何でも金になる力が、朝日の光と一緒に、彼に授かったではありませんか!
マイダスは喜びのあまり、まるで狂ったようになって飛び起きました。
そして部屋中を駆け回って、何でもその辺にある物を手当たり次第につかみました。
彼が寝台の柱の一つをつかむと、それはたちまち丸溝のついた金の柱になりました。

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