初級翻訳・三つの宝 第3話

三つの宝

(剣を抜く)
王女 (立ち上がるが早いか、王子をかばう)鉄でも切れる剣ならば、わたしの胸も突けるでしょう。
さあ、一突きに突いてごらんなさい。
王 (尻込みをしながら)いや、あなたは斬れません。
王女 (嘲るように)まあ、この胸も突けないのですか? 鉄でも斬れるとおっしゃったくせに!
王子 お待ちなさい。
(王女を押し止めながら)王の言うことはもっともです。
王の敵はわたしですから、正々堂々と勝負をしなければなりません。
(王に)さあ、すぐに勝負をしよう。
(剣を抜く)
王 年の若いのに感心な男だ。
いいか? わたしの剣に触れれば命はないぞ。
王と王子と剣を打ち合わせる。するとたちまち王の剣は、まるで杖か何かを切り落とすかのように、王子の剣を真っ二つに切ってしまいました。

王「どうだ、見たか!」
王子「剣は切られてしまったな。だが、わたしはこの通り、あなたの目の前で笑っていられるぞ」
王「では、まだ勝負を続けるつもりか?」
王子「当たり前だ。さあ、来い!」
王「……いや、もう勝負などしなくていい」

王は急に剣を投げ捨てました。

王「勝ったのは君だ。わたしの剣など、何の意味もなかったよ」
王子「(不思議そうに王を見つめて)なぜ、そう思うのですか?」
王「なぜだと? たとえわたしが君を殺したとしても、王女にますます憎まれるだけのこと。君にはそれがわからないのか?」
王子「いいえ、わかっています。ただ、あなたにはそんなこともわかっていないのではないか、そう感じただけです」
王「(考え込みながら)わたしは、この三つの宝さえあれば、王女を自分のものにできると思っていた。だが、それは間違いだったようだ」
王子「(王の肩に手を置いて)わたしも同じです。三つの宝さえあれば王女を助けられると思っていましたが、それも間違いだったようです」
王「ああ、その通りだ。我々は二人とも間違っていたんだな」

王は王子の手を取りました。

王「さあ、きれいに仲直りをしよう。わたしの失礼を許してくれ」
王子「わたしの失礼も許してください。今となっては、どちらが勝ったのか、わたしにもわからなくなってしまいました」
王「いや、君はわたしに勝ったのだ。そしてわたしは、わたし自身に打ち勝ったのですよ」

王は王女に向き直りました。

王「わたしはアフリカへ帰ります。どうか安心して過ごしてください。王子の剣は鉄を切る代わりに、鉄よりもずっと硬い、わたしの心を刺し貫いたのです。わたしは二人の結婚祝いに、この剣と長靴、そしてあのマントル、三つの宝をすべて差し上げましょう。もうこの宝があれば、あなたたち二人を苦しめる敵はこの世にいないはずです。もし万が一、また悪いやつが現れたら、わたしの国へ知らせてください。いつでもアフリカから、百万人の黒人の騎兵隊を引き連れて、あなたたちの敵を征伐に行きますから」

王は少し悲しげに続けました。

王「わたしはあなたを迎えるために、アフリカの都の真ん中に、大理石の御殿を建てて待っていました。その御殿の周りには、一面に蓮の花が咲いているのです」

王は王子に言いました。

王「どうか君も、その長靴を履いて時々遊びに来てください」
王子「ええ、きっとご馳走になりに伺います」
王女「(黒ん坊の王の胸に、バラの花をそっと挿しながら)わたし、あなたにひどいことをしました。あなたがこんなに優しい方だとは、夢にも思わずに……どうか許してください。本当に、申し訳ないことをしました」

王女は王の胸にすがりつき、子供のように泣き始めました。

王「(王女の髪を優しく撫でながら)ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ。わたしも悪魔ではないのだからね。悪魔のような黒ん坊の王なんて、ただの御伽噺の中だけの存在ですよ」

王は王子を見ました。

王「そうだろう?」
王子「ええ、その通りです」

王子は観客の方に向き直りました。

王子「皆さん! 我々三人は、ようやく目が覚めました。悪魔のような黒ん坊の王も、三つの宝を持つ王子も、すべてはただの御伽噺の中のお話です。我々はもう目が覚めた以上、いつまでも御伽噺の国に住み続けるわけにはいきません。我々の前には、霧の向こうから、もっと広い世界が浮かび上がってきます。さあ、我々はこのバラと噴水の庭から、一緒にその世界へ出ていきましょう。もっと広い世界へ! もっと醜く、もっと美しく、――もっと大きな、本当の物語の世界へ! その世界で我々を待っているのが苦しみなのか、それとも楽しみなのか、それは誰にもわかりません。ただ我々は、勇ましい兵隊たちのように、その世界へ向かって進んでいくことだけを知っているのです」

(大正十一年十二月)

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