初級翻訳・仔猫の裁判 第3話

仔猫の裁判

そして手を叩いているうちに、みんな、猫に頬冠をさせて逆さに這わすことが、とても堪らなく面白く愉快に思われて来ました。
そして裁判長が、今の意見に賛成かどうかをたずねた時には、コドモ委員まで、うっかり巻きこまれて、一人残らず賛成してしまいました。
「では、みな賛成のようですから、これから猫に頬冠をさせることにします。」けれど、裁判長として意見を言わせてもらうなら、そんな方法では、本当の意味で仔猫のいたずらを直すことはできないと思います。
――とにかく、今日の猫の裁判はこれで終わりにします。」

 みんなはしばらくの間、パチパチと手を叩きました。
それから、広いスペースを作るために立ち上がりました。
仔猫のタマは、そんな騒ぎなど少しも気にしていない様子で、お婆さんの膝の上で大きくあくびをすると、それから前足に唾をつけて顔を洗い、眉毛をなで、口ひげをしごいて、いかにも雌猫らしく、しきりにおめかしを始めました。

―昭和八年三月五日作―

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