初級翻訳・小公女 第32話

小公女

私の顔が物欲しそうだったから、あの坊ちゃんもクリスマスのお小遣いをくださる気になったのよ」

その銀貨を見ると、二人は目に涙をためながら、笑い出しました。
「その坊ちゃんって、誰なの?」
「可愛い坊ちゃんだってよ。大屋敷の子供の一人で、足がまるまるしてるのよ。きっとあの子は、自分は贈り物やお菓子の籠をたくさん持っているのに、私は何一つ持っていそうもないと思ったのね」

アーメンガードは、ふと何かを思いついて、ちょっと飛び上がりました。
「セーラさん、私バカね、今まであのことに気がつかないなんて」
「あのことって?」
「いいことなの。さっき伯母様から、お菓子の一杯つまった箱が届いたのよ。私お腹がいっぱいだったし、本のことで悩んでいたので、手もつけずにおいたの。中には肉饅頭だの、ジャム菓子だの、甘パンだの、オレンジだの、赤ワインだの、イチジクだの、チョコレートだのが入ってるのよ。私ちょっと取りに行ってくるわ。ここで食べましょうよ」

セーラは食べ物の話を聞くと、思わずクラクラしました。彼女はアーメンガードの腕にしがみついて、「でも、行ってこられる?」と言いました。
「来られるわよ」アーメンガードは戸の外に頭を出して、耳をすましました。「明かりはすっかり消えてるわ。皆もう眠っちゃったのね。だから、そっと誰にもわからないように、そっと這って行ってくるわ」

二人は手をとりあって喜びました。セーラはふと、また目をきらめかせて言いました。
「アーミー! ねえ、また『つもり』になりましょうよ。宴会だって『つもり』にね。それからあの、隣の監房にいる囚人もご招待しない?」
「それがいいわ! さあ、壁を叩きましょうよ。看守になんて聞こえやしないでしょう」
セーラは壁際に行って、四度壁を叩きました。
「これはね、『壁の下の脱獄ルートより来れ、お知らせしたいことがある』という意味なの」
向こうから五つ打つ響きがありました。
「ほら、来たわ」ドアが開くと、目を赤く腫らしたベッキーが顔を出しました。
彼女はアーメンガードがいることに気づくと、恥ずかしそうにエプロンで顔を拭き始めました。
すると、アーメンガードが言いました。
「気にしなくていいのよ、ベッキー」

「アーメンガードさんが招待してくれたのよ。今、美味しいものが入った箱を持ってきてくださるんですって」
「美味しいものって、何か食べるもの?」
「そうよ。これから、宴会の『つもり』を始めるの」
「お腹いっぱい食べていいのよ。私、すぐに行ってくるわ」

アーメンガードはあまりに急いでいたので、出ていくときに赤いショールを落としてしまいました。誰もそのことに気づかないほど、二人は夢中でした。
「お嬢様、すてきですね。私を招くようにあの方に頼んでくださったのは、お嬢様でしょう? 私、それを思うと涙が出てきます」

その時セーラは、瞳にいつもの輝きを宿しながら、辛かった一日の終わりに、突然こんな愉快なことが起こったのを不思議な気持ちで振り返っていました。
何か救いがやってくるものだ、まるで魔法のようだ、と彼女は思いました。
「さあ、泣かないで。テーブルを整えることにしましょう」
セーラは嬉しそうにベッキーの手を握りました。
「テーブルを整えるって? 何を乗せればいいの?」

セーラは部屋の中を見回して笑いました。テーブルクロスなんてあるはずもありません。
ふと、セーラは落ちている赤いショールを見つけて、それを古いテーブルの上に掛けました。赤はとても優しく、心を慰めてくれる色です。テーブルに赤いショールが掛かると、部屋の中は急に華やぎました。
「これで、床に赤い敷物があったら素敵よね。敷物がある『つもり』になりましょう」
セーラが床に目を落とすと、そこにはもう、立派な敷物が敷いてあるのでした。
「まあ、なんて厚くて柔らかいんでしょう」

セーラはベッキーの方に笑顔を向けながら、まるで本当に敷物を踏むように、そっと足を下ろしました。
「本当に柔らかいわ」と、ベッキーも真顔で言いました。
「今度は何をしましょう。じっと考えて待っていると、何か思いつくものだわ。魔法の神様がそれを教えてくれるのよ」

セーラのよくする空想の一つは、家の外でいろいろなアイデアが呼び出されるのを待っている、というものでした。セーラがじっと立って何かを待ち受けている姿を、ベッキーはよく見ていました。セーラはいつものようにしばらくじっとしていましたが、やがていつものように、明るい笑顔になりました。
「そら来た! 私、何をすればいいか分かったわ。私が宮様時代に持っていた、あの古い鞄を開けてみましょう」

鞄の隅には小さな箱があり、その中に小さなハンカチが一ダース入っていました。セーラはそれを持つと、いそいそとテーブルの方へ走り、レースの縁が反り返るように工夫して、赤いテーブルクロスの上に並べました。並べている間も、彼女はまるで何かの魔法に動かされているようでした。
「そこにお皿があるの。黄金のお皿よ。それから、このナプキンには手の込んだ刺繍がしてある。スペインの尼さんが尼寺の中で縫ったものなのよ。ほら、目に見えてくるでしょう?」

セーラはまた鞄の中から古い夏帽子を見つけ出し、飾りの花を引きはがしてテーブルの上に飾りました。
「いい匂いがするでしょう?」
セーラは夢の中の人のように幸福そうな微笑みを浮かべながら、石鹸皿を雪花石膏の水盤に見立てて、そこに薔薇の花を盛りました。それから毛糸を包んでいた紅白の薄紙でお皿を折り、残った紙と花でロウソク立てを飾りました。

セーラは一歩下がって、美しく飾られたテーブルを眺めました。そこにあるのは、赤い肩掛けをかけた古いテーブルと、鞄から出したゴミ同然の品々だけでしたが、セーラは魔法の力で、奇跡が行われるのを見届けたのでした。
ベッキーまでもが、そのあたりを見回して言いました。
「あの、これが……これが、あの『バスティーユ』が……何かに変わってしまったの?」
「そうですとも。饗宴の会場に変わったのよ」

その時、ドアが開いてアーメンガードがよろよろと入ってきました。彼女は肌寒い暗闇から、すっかり飾られた部屋に入ってくると、思わず声を上げました。
「セーラさん、あなたみたいに何でも上手な人は見たことがないわ」
「素敵でしょう? 全部、古い鞄の中にあったのよ。魔法の神様に聞いてみたら、トランクを開けてみろとおっしゃったの」
「でも、お嬢さん、セーラ嬢さんにいちいち何だか話してもらいなさい。ね、あれはみんな……セーラ嬢さん、この子にも話してあげてよ」

そこでセーラはアーメンガードに、黄金のお皿のこと、丸天井のこと、燃えさかる丸太のこと、きらめくロウソクのことなどを話して聞かせました。魔法の力の助けで、アーメンガードにもそれらのものが、おぼろげに見える気がしたのです。手籠の中から、寒天菓子や果物、ボンボン、そして葡萄酒が次々と取り出されるにつれ、宴会はますます素晴らしいものになっていきました。
「まるで夜会みたいね!」とアーメンガードが叫びました。
「女王様の食卓のようですわ」とベッキーがため息をつきました。
するとアーメンガードは目を輝かせて言いました。

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