犬が慌てて逃げ込むと、家からお手伝いさんが出てきました。
それでも、子どもたちはまだ石を投げるのをやめませんでした。
お手伝いさんが引っ込むと、今度は二階の窓がガラリと開き、桃色のカーテンの間から、まるでお人形みたいな女の子や、男の子、おかっぱ頭の女の子、それに花嫁さんのようにきれいな顔が、ひょっこりと顔をのぞかせました。
「わあーっ! わあーっ!」
子どもたちは大喜びして、ぴょんぴょんと飛び跳ねました。
すると、玄関からチョビひげを生やした男の人が、ものすごい勢いで、はだしのまま飛び出してきて怒鳴りつけました。
「こ、こ、こらーっ! ばかものーっ!」
子どもたちは、わっと大声をあげて逃げ出しました。
逃げながらも、みんなで「万歳(ばんざい)!」と叫びました。
誰かが「ワッショイ、ワッショイ!」と言い出しました。
吉は「デモ(行進)だ! デモだぞ!」と叫び出しました。
そしていつの間にか、みんなで走り続けながら、「ワッショイ、ワッショイ! デモだ、デモだ!」と大声を張り上げて叫んでいるのでした。
文化村の人たちは、本当にびっくりしました。
そして、通りから通りへと駆け抜けていく子どもたちの騒ぎを見ようとして、みんな窓を開けて、外をのぞき込むのでした。子どもたちは、どの家からも人間の顔がぶどうの房みたいに鈴なりになって自分たちを見下ろしているのを見て、ますます愉快な気分になりました。
そして三、四人ずつで腕を組むと、さらに元気よく、通りから通りへと無茶苦茶に走り回るのでした。
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