「クラヴサン協奏曲」は、ファリアのレコードの中では一番の美しさだと思います。作曲者自身の弾くクラヴサンと、モイーズのフルートが共演しているなんて、まさに贅沢なご馳走ですよ(コロムビア J7844―5)。
舞踊曲「恋は魔術師」は、アルフテル指揮のセヴィリア・ベチカ管弦楽団の演奏があります。ヴェラスケス(メゾ・ソプラノ)の独唱も素晴らしいです(コロムビア J5179―82)。
この曲の中の「愛の悩みの歌」と「狐火の歌」を、コロムビアのスペルヴィアが歌ったレコードは、手に入れる価値のある非常に良いものですよ(J5490)。
また、「火祭の踊り」と「恐怖の踊り」をピアノ用に編曲したものはルービンシュタインが得意としており、日本でも披露されましたが、レコードにも収録されています(ビクター JE200)。
「七つのスペインの民謡曲」はファリアを代表する歌曲集で、その中には有名な「ホタ」も含まれています。コロムビアから出ているスペルヴィアの歌声は、まさに絶品です(J5384―6)。
ドナーニ
(エルンスト・フォン・ドホナーニ 1877―1960)
現代ハンガリーのピアニストであり、作曲家です。自身がピアノを演奏したレコードも出ています。
作曲活動は交響曲、室内楽、歌劇にまで及びますが、どれも穏やかで郷土色の濃い作品です。
「管弦楽のための組曲」はストック指揮のものが、「随想曲 ヘ短調」はホロヴィッツが弾いたものがあります。
シュレーカー
(フランツ・シュレーカー 1878―1934)
オーストリアの作曲家です。
彼自身の指揮による、舞踊組曲「王女の誕生日」のレコードがあります(ポリドール 45081―3)。
レスピーギ
(オットリーノ・レスピーギ 1879―1936)
現代イタリアで最も優れた作曲家の一人です。高度な技術を持ち、風景や情景を描写する曲作りがとても上手です。
交響詩「ローマの松」は、ビクターから出ているコッポラ指揮の新しい録音がおすすめです(JD1098―9)。
「ローマの泉」は、コロムビアのモラヨーリ指揮盤があります(J7554―5)。
三部作のうち「ローマの祭」のレコードはありません。また、その他の作品では「鳥」がコロムビアのドフォー指揮で出ています(JW159―60)。
スコット
(シリル・スコット 1879―1970)
現代のイギリス作曲家の中で最も優れた人物です。
HMVに「蓮の国」をスコット自身がピアノで弾いたものがありますが、残念ながら日本には入っていません。クライスラーがヴァイオリンで演奏したものがビクターから出ています(JD1588)。
ピツェッティ
(イルデブランド・ピツェッティ 1880―1968)
現代イタリアで最も注目されている作曲家です。
第一次世界大戦の経験を描いたという「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」は、特筆すべき傑作です。戦争に対する人々の心理描写が実によく表現されています。
ビクターにメニューイン兄妹が演奏したレコードがあります(JD1622―5)。イタリアにこれほど深い作曲家がいるなんて、不思議に思えるほどです。
バルトーク
(ベラ・バルトーク 1881―1945)
ハンガリーの作曲家です。リズムに新しい考え方を持ち込み、土の香りがする力強い色彩が大きな特徴です。
「アレグロ・バルバロ」と「バガテル第二番」をバルトーク自身が弾いたピアノ・レコードは非常に面白いです(ビクター AM2622)。
他にも、数年前に日本のポリドールが名曲鑑賞会を通じて、アマール・ヒンデミット四重奏団による「弦楽四重奏曲第二番」を頒布したことがあります(ポリドール 45157―60)。
ラフマニノフ
(セルゲイ・ラフマニノフ 1873―1943)
ロシアの国民楽派の流れを汲む「モスクワ派」に属する作曲家です。若かりし頃のチャイコフスキーから受けた感化が、形を変えて、現代に生きるラフマニノフの中に息づいています。
ピアニストとしても第一流で、彼の作品には優れたものが少なくありません。
「ピアノ協奏曲第二番 ハ短調」は、ラフマニノフ自身のピアノと、ストコフスキー指揮の管弦楽団による演奏が収録されています(ビクター 8148―52)。まばゆいばかりに輝く、素晴らしい曲です。
「第三ピアノ協奏曲 ニ短調」は、ホロヴィッツのピアノとロンドン交響楽団による演奏もありましたが、これは現在廃盤になっています。「ピアノと管弦楽のための狂詩曲」も、ラフマニノフ自身のピアノとストコフスキーの指揮でレコードになっています(ビクターJD706-8)。
ピアノのための「前奏曲」もたくさん作られていますが、「前奏曲 嬰ハ短調(作品3の2)」はとても有名な曲です。
この、深みがあってどこか悲しい小品を、作曲者自身が弾いたレコードがあります(ビクター1326)。
管弦楽の作品では「死の島」がレコードになっています。
ベックリンという画家の絵をテーマにしたもので、ものすごく手の込んだ曲ですが、少し聴いていて重苦しいかもしれません。
以前は、ラフマニノフ自身がフィラデルフィア管弦楽団を指揮したレコードがありましたが、今はもう作られていません。
ストラヴィンスキー
(イーゴリ・ストラヴィンスキー 1882―1971)
今生きている作曲家の中で、最もたくさんの話題を提供してきた人でしょう。
ロシアで生まれ、リムスキー=コルサコフの影響を受けましたが、当時新しく現れた「ディアギレフのロシア舞踊団」のために、新鮮で最高に魅力的な舞踊曲を書き上げ、一気に世界中の耳と目を楽しませました。
自由な作り方や大胆な発想については、良い評判も悪い評判もいろいろありましたが、その後、深みのある大曲を次々と発表し、独特の魅力で反対していた人たちを黙らせてしまいました。
最近の傾向として、昔の古典的な音楽に戻ろうとしているのも興味深いところです。
舞踊組曲「ペトルーシュカ」は、初期の作品の中では最も面白いでしょう。
四旬節(復活祭前の期間)のモスクワの広場で行われる人形劇での、空想的な事件を舞踊劇にしたもので、爽やかさと、ほんの少しの悲しさが混ざり合う様子は、他では味わえない素晴らしさです。
レコードはストラヴィンスキー自身の指揮のものもありますが、ストコフスキーがフィラデルフィア管弦楽団を指揮したものが、一番鮮やかで綺麗でしょう(ビクターJD1649-52)。
舞踊組曲「火の鳥」は、ストラヴィンスキーが出世するきっかけとなった、おとぎ話の舞踊劇です。
レコードにはあまり良いものがありません。作曲者自身の指揮のものがコロムビアに、ストコフスキー指揮のものがビクターにあります。
他にも「春の祭典」(ストコフスキー指揮)、「兵士の物語」(作曲者指揮)、「結婚」(合唱とピアノ)、「ミューズの神を先導するアポロ」(ボイド・ニール弦楽合奏団)、「カルタ遊び」(作曲者指揮)など、たくさんの舞踊曲がレコードになっています。
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