だんだんと成長し変化して、初期の美しい雰囲気は失われましたが、その分、精巧で少し暗い響きになっていくストラヴィンスキーの姿を見るのはとても興味深いです。
「詩篇による交響曲」は、聖書の詩篇から言葉をとった新しい宗教音楽で、人間味があるのにどこか悟りきれないような暗さが特徴です。作曲者がコンセール・ストララム管弦楽団とヴラソフ合唱団を指揮しています(コロムビアJ7904-6)。
「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」をドゥシュキンのヴァイオリンで、作曲者がコンセール・ラムルー管弦楽団を指揮したレコードは、最近の面白い一枚です(ポリドール鑑賞会)。
「狂詩曲」は作曲者のピアノ、アンセルメの指揮で、これもストラヴィンスキー自身のピアノが聴けるというだけでなく、古典に戻ろうとするヒントが隠されていて面白いですよ。
他にも「管楽器の八重奏曲」や、管弦楽曲「花火」などがあります。
ストラヴィンスキーの曲を一つだけ聴くなら、「ペトルーシュカ」がおすすめです。
後期の作品を聴きたい人には「詩篇による交響曲」を。一番新しい「カルタ遊び」なども面白いでしょう。
グレンジャー
(パーシー・グレンジャー 1882―1961)
オーストラリアで生まれ、今はアメリカにいる作曲家です。
ブゾーニという有名な先生の弟子で、ピアニストとしても知られていました。
イギリスの民謡を研究していて、作曲にも民謡風の良い曲があります。「浜辺のモリー」などはその良い例の一つです。
レコードは本人の演奏のものがコロムビアにありましたが、今は見当たりません。
今手に入るレコードでは、「ロンドンデリーの歌」をクライスラーがヴァイオリンで弾いたものが良いですよ(ビクターJD294)。
オーマンディが管弦楽を指揮したものもあります。
他にもオーマンディ指揮の「田園風俗」「牧人の唄」などがありますが、それほど大したものではありません。
シマノフスキー
(カロル・シマノフスキー 1881―1937)
ポーランドの新しい作曲家で、ヴァイオリン曲に新しくて面白いものがあります。
「アレトゥーザの泉」をティボー(ビクターJD305)とシゲティ(コロムビアJW179)がヴァイオリンで弾いたもの以外に、レコードで見られるような長い作品はありません。
グリュンベルク
(ルイス・グリュンベルク 1884―1964)
歌劇「皇帝ジョーンズ」の作曲者で、この作品一つで有名になりました。
ティペット(バリトン歌手)が歌った「祈りが必要」は、ものすごい迫力です(ビクターJD1628)。
イベール
(ジャック・イベール 1890―1962)
日本の紀元二千六百年を祝う音楽や、映画「ドン・キホーテ」の音楽で日本でもおなじみの、フランスの現代作曲家です。
「ドン・キホーテ」を歌ったシャリアピンのレコードが一番面白いですよ(ビクターJF22-3)。
他に「寄港地」をストララムの指揮で演奏したものがありますが(コロムビアJ7822-3)、それほど面白いとは思いません。プロコフィエフ
(セルゲイ・プロコフィエフ 1891―1953)
現代の作曲家の中でも、特に興味深い人物の一人です。ロシアで生まれ、かつて日本を訪れたこともあります。
作曲家としてはかなり革新的で、少し象徴的なところもありますが、力強い音楽を作る姿勢はとても好感が持てます。洗練されたセンスと、深い思想を感じさせる人で、作品にも素晴らしいものがたくさんあります。
「三つのオレンジの恋」は初期の歌劇で、代表的な傑作とされています。ただ、レコードでは一部分だけをクーセヴィツキーが指揮したものがあります(ビクター愛好家協会)。
舞踊組曲「鋼鉄の歩み」は、最も手応えのある曲です。ダイナミックで情熱的、そして現代の生活を思わせるような暗示に満ちていると言われています。コーツがロンドン交響楽団を指揮したレコードが良いでしょう(ビクターJD64-5)。
組曲「キージェ中尉」は最近の作品です。巧みな作りですが、「鋼鉄の歩み」ほどの力強い魅力はありません。クーセヴィツキー指揮のレコードがあります(ビクターJD1505-7)。
「ピアノ協奏曲第3番 ハ長調」は、力強くて良い曲です。プロコフィエフ自身がピアノを弾き、コーツが管弦楽団を指揮しているレコードも良いですよ(ビクターJD83-5)。
「ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調」には、シゲティの演奏があります。面白い曲です(コロムビアJ8607-9)。シゲティは日本へ来たとき、この曲を演奏したと記憶しています。
「ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調」は、ハイフェッツのヴァイオリン、クーセヴィツキーの指揮という組み合わせがあります。技術がすごすぎて、少しやりすぎに感じるほどです(ビクター)。
「プロコフィエフ・ピアノ曲集」は、作曲者自身の演奏で、趣の異なる10曲が収録されています。とても興味深い一枚です(ビクター)。
もしプロコフィエフのレコードを1枚か2枚揃えるなら、「鋼鉄の歩み」や「ピアノ協奏曲」などが適しているのではないでしょうか。「三つのオレンジの恋」には、まだ良いレコードがありません。
ミヨー
(ダリウス・ミヨー 1892―1974)
フランス音楽の「六人組」の一人です。オネッガーと並んで重要な存在で、新鮮な魅力にあふれた曲がたくさんレコードになっています。
「弦楽四重奏曲第7番 変ロ短調」は、新鮮で感覚的で面白い曲です。ギャリミル弦楽四重奏団の演奏があります(ポリドール)。もう一つ、「第2弦楽四重奏曲」をクレトリー四重奏団が演奏したものが、イギリスのコロムビアから出ています。
舞踊組曲「サラド」の二重唱とタンゴを、マーエ(ソプラノ)とルーケッティー(テナー)が歌っているレコードがあります(ビクター)。他にもロンの「ピアノ協奏曲」や、アストリュックのヴァイオリンによる「春の小協奏曲」などが挙げられます。
黒人の舞踊曲「世界の創造」は非常に変わった作品です。ジャズの技法を使って黒人の生活を描き出した、芸術的な作品です。ミヨー自身が指揮したものがコロムビアにあります(J8127-8)。
オネッガー
(アルテュール・オネッガー 1892―1955)
フランス六人組のリーダーでした。はっきりとした力強い表現力を持っており、その表現のためなら何をも犠牲にする勇気がある人です。
「パシフィック231」は、機関車の力強い構造と動きを音楽で描いた、オネッガーの代表作です。彼自身が指揮したレコードがあります(コロムビアJ8229)。
「ラグビー」も同じような趣向ですが、少し二番煎じの感じがします。これはコッポラが指揮したものがあります(ビクターW1015)。
「ピアノ協奏曲」は、たった一枚でまとめられているところが気に入っています。ノルトンのピアノ、オーマンディの指揮で収録されています(ビクターJD689)。
オネッガーの傑作「ダヴィッド王」は、かつて日本コロムビアから2枚出ていましたが、残念ながら廃盤になってしまいました。
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